絵葉書法話 43 【因縁】

土となる落ち葉が 春の芽を育てる
光と水から栄養を作り出して枝木に送り続けた葉は、最後の力を振り絞って自分の中の養分すら出し尽くして落ち葉となる。落ち葉となった後も土に還り春の芽を育てている。
紅葉を楽しむとき、落ち葉に学ぶ心のゆとりを持ちたいものである
誰かに尽くすことは難しいものです。
どうしても見返りを求めたくなってしまうものです。
異性に尽くす場合も、あわよくばお付き合いがしたい、結婚がしたいと考えてしまいます。
夫婦となった後でも、別れたくない・一生を添い遂げたいと欲が出ます。
親が子に尽くし、子が親に尽くす。
理想的な姿でありますが尽くすことは難しく、思い通りにいかないのでイライラしてしまうものです。
理想とするような見返りを求めず尽くすことができた人を探してみると、過去の偉人や有名人が出てきます。
あまりにも立派過ぎて、遠い存在に感じてしまいます。
どこか近くに理想とする姿はないものでしょうか。その答えが「落ち葉」だと
土となる落ち葉が 春の芽を育てる
という言葉が教えてくれています。
光と水から栄養を作り出して枝木に送り続けた葉は、最後の力を振り絞って自分の中の養分すら出し尽くして落ち葉となります。
落ち葉となった後も分解されて土に還り、やがて春の芽を育てているのです。
私は紅葉の時期になると「落ち葉を掃除しなくては・・・」と心のゆとりを失いますが、紅葉を楽しむような心のゆとりを持ち、その気持ちを落ち葉から大切なことを学ぶ気持ちへと変化させていきたいものです。

因縁 【いんねん】
現象の基になる主原因(因)と、補助条件(縁)。この因縁によって、すべての存在や現象が生じる。
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