絵葉書法話 48 【みほとけは】

みほとけは
お医者さんが「病気を治すのは医者じゃない。私にできるのは治そうとするあなたを助けること。治すのはあなた自身なんだよ」と言っていた。
お坊さんが「迷い苦しむあなたを救うのは仏像の仏様ではなく、拝んだ時にあなたの中に出てくる仏様だよ」と言っていた。
携帯電話が見当たらず、他の電話で自分の携帯電話に電話をしてもらったら履いているズボンのポケットから着信音が聞こえてきました・・・・
あちらこちらを探しても見つからなかったものが自分の中にあったのです。
みほとけは どこにおわすと たずぬるに たずぬる人の 胸のあたりに
という御詠歌の一節が心に響きます・・・
般若心経というお経に真実不虚【しんじつふこ】という部分があります。
「真実にして虚ならず」という意味です。般若心経は、「すべてはうつり変わるものであり同じものなど何もない」という“無常”を説くお経でもあります。
ですから、全ては無常であり、無我であることは真実である。
と、真実不虚【しんじつふこ】という言葉で私達に伝えてくれているのです。
そのことを実感することができる状態を「心が調っている」と表現しています。
私達はついつい「真実」と言われる大切な教えを外に求めてしまいがちですが、心が調っていれば自分の中に仏様がいることを実感することができます。
ポケットの中の携帯電話を探し回る私は大いに心を調える必要があるようです。

真実不虚【しんじつふこ】
真実にして虚ならず
全ては無常であり、無我であるという真実。無常・無我の世界を貫くのが因縁の教えである仏法。
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