絵葉書法話 58 【南無仏】

みんな仏さま
お世話になっているお寺を訪ねたとき、玄関の部屋の襖が開き、さらに奥の障子までもが開いていたので中庭に咲く満開の白い花々が目に飛び込んできました。
開いた襖や障子、部屋の畳と机、そして満開の花々が一体となり、まるで美しい絵の中に入り込んだような気持となりました。
その瞬間、バタバタとしていた自分の心が落ち着いたことをよく覚えています。
いつもは開いていない扉が開き、その先に満開の花が見えた光景は、私達の奥に常に咲いている尊い心を表しているように感じます。
しかし、いつも扉を開けておくことはできません。雨風が強いときなどは扉を閉めておくことも必要です。大切なのは扉を自由に開け閉めできる状態を保つことです。
美しい花があっても襖や障子の建付けが悪く、動かなければ花を感じることはできません。いつでも自由に動かすことができるからこそ、花と扉が一体となった美しい景色を作り出すことができるのです。
心を閉ざすことは悪いことではありません。
閉めることができるからこそ、必要に応じて開くこともできる。
いつも開け放っておくことは難しいですが、たまには扉を開けてみるのも良いものです。

南無仏【なむぶつ】
「南無」は敬意を表すこと、帰依すること、よりどころとすることを意味するため、「南無仏」は仏様に帰依し、よりどころとするということ。
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