絵葉書法話 71 且坐喫茶

まあ、坐ってお茶をどうぞ
且坐喫茶【しゃざきっさ】は、「まあ、坐ってお茶をどうぞ」を意味する言葉。
そんな日常の中で使われているなにげない言葉も禅語です。
禅の教えは特別難しいものだけを大切にしているのではなく、ご飯を食べ茶碗を洗う、お茶を飲むなど日常生活の中にこそ大切なことがあるとこと説いています。
私達は何かを成し遂げよう、達成しようとすると、目標に向かって努力をします。しかし、時には集中しすぎるがゆえに、取捨選択をしてしまし、迷いの世界に入り込んでしまし身動きが取れなくなってしまいます。
「且座喫茶」という言葉は、厳しく緊張感のある世界だけでなく毎日やっている平凡なことに真実を見ていくことができることを伝えてくれています。

且坐喫茶【 しゃざ きっさ 】 臨済録
且は「とにかく、まあまま」など語気を和らげる言葉。「まあまあ、坐ってお茶を召し上がってください」と訳すことができる。臨済録では臨済禅師と問答をし、臨済禅師を認めた僧侶が「且坐喫茶」とお茶を勧めている。