絵葉書法話 73 回向返照【えこうへんしょう】

外に光を求めず、自分の光に気がつかなくてはならない
夕方、太陽が沈み その姿が見えなくなっても空は明るく照らされている。
私達はその姿を確認することは難しいが、誰もが尊い心を持って生まれる。
そして、この心は太陽のように周囲を照らし 自分を照らす力を持っている。
私達は“仏様”をお参りするときに外に向かって手を合わせます。
自分を仏様の光で照らして欲しいと願ってしまいます。
しかし、外に向かって求めるのではなく、自分自身を見つめ直すことで、本当の自分に気がつくことが大切だと仏教では説いています。
もちろん、本当の自分とは 生まれたときから仏様のような尊い心を頂いている本質的な部分です。
照らして欲しいと願うのではなく、すでに照らされていること、
そして照らしているのも 照らされているのも自分だと実感することが大切なのです。
そして、実感するための第1歩が、自分自身にも尊い心があると信じることなのです。

回向返照【えこうへんしょう】 臨済録
心を外側に向けず、自己の内に向けて、本来具有している自らの真実の姿を明らかにすること。
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