お坊さんになる“きっかけ” 【尊敬する僧侶との出会い編 その1】

自分自身の生き方を決めるときに どんなことをきっかけにしたのか思い出してみると、私の場合には多くのきっかけがあったのだと感じます。
どれかひとつに絞ることなどできません。
しかし、どれもが大切な きっかけだったことは間違いありません。
お寺で生活をしている子供によくあることなのですが、漠然と
「お坊さんにはなりたくない、ここから出ていきたい!」
と願う時期があります。
もちろん、私もその1人です。
さらに、お寺で生活をしている子供あるあるに
僧侶によく会う
というものもあります。
親の職場で生活し、そこへ出入りする仕事関係者ですから当然と言えば当然かもしれません。
私の場合、そこで出会った僧侶を見ていたことが今の自分を作り上げているようにも感じます。
何人もの尊敬できる僧侶との出会いが日常の中にあったことは幸せだったように感じます。
その中でも印象に残っている僧侶は“人に厳しく、自分にはもっと厳しい”を実践され続けている方でした。
その僧侶は、僧侶が集まる大きな法要のときなど周囲の年配の僧侶に恐れられるような方でした。
間違っていることがあれば一般の人の前だろうが誰の前でも相手を叱る人でした。
「そこまで言わなくてもいいのに・・・」
と感じることもありましたが、誰も何も言い返せません。
なぜなら、言っていることは正しく、言っている本人がそのことをしっかりと行っていることを言われている人が一番よく分かっているからです。
その和尚様が亡くなった際に周囲の方々が
「人に厳しく、自分にはもっと厳しい人だった。もう叱ってもらえないと思うと悲しい」
と口々に言っていたことが幼かった私には驚きでした。
しかし、自分自身が僧侶になったとき“人に厳しく、自分にはもっと厳しい”がどれだけ大変なことであり大切なことなのか改めて感じます。
と、同時に見本となるような方と実際にお会いできていた御縁に感謝しています。
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