月落不離天【月落ちて天を離れず】

私は満月を見ると、意味もなく気持ちが明るくなります。
やがて、その満月が見えなくなると なんだか寂しい気持ちになってしまいます。

夜空に輝いていた月は、時間の経過と共に輝く場所を変え、

やがては地平線へと落ちていきます。

月が移動し、無くなったように感じます。
しかし、その瞬間に他の場所でも月が見えなくなっているのでしょうか?
そのようなことはありません。
世界のどこかでは月は輝き、また別の場所ではとっくに沈んでいるのです。
自分自身が移動をすることができれば月を見ることはできるのです。
月落不離天【月落ちて天を離れず】という禅語があります。
月は西に沈み地へと落ちるように見えるが、天を離れたわけではない。
ただ目に見える範囲から外れただけなのです。
月自身は変わらず天にあります。
月は悟り、天は自分自身を示します。
「悟り、悟り!」とあちらこちらを探しても見つかりません。いつか悟りがやってくると待っているだけでも何もおこりません。
悟りは何か特別な場所にあるものでありません。
天から離れることがない月と同様に、いつも自分の中にあるのだと示しているのです。
月が見えなくなって寂しい気持ちになる私に「月落ちて天を離れず」という言葉が、「目先のものだけにとらわれてはいけない」と語りかけてくれているよう感じます。
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