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自由が過ぎると自分勝手になる 【イス坐禅】

今年も開催! 8月6日は毎年恒例 椅子坐禅



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東光寺(静岡市清水区横砂)では地元の小学校の夏休みに合わせて約1ヶ月の間、毎日朝の7時30分から「子供坐禅会」を開催しています。



普段は座布団に足を組んで座る坐禅をしているのですが、 毎年8月6日は1年に1度だけ行われる特別な坐禅会になります。 それが 「イス坐禅」 です!

その名の通り、イスを使って坐禅をします。足を組むことなくイスに腰かけて坐禅をするのです。






なぜ、毎年8月6日なのかと言いますと・・・

毎年8月7日に東光寺では施餓鬼【せがき】の法要を行っています。

そのため、前々日の8月5日に檀信徒の方々にご協力いただき本堂の準備をします。

ですから8月6日は本堂内に椅子が並んだ状態になります・・・

せっかくなら、この椅子を活用しよう!! 

・・・と思いつき数年前から8月6日は椅子坐禅の日と勝手に決めて毎年開催をしています。






この、イス坐禅・・・


イスで座って坐禅をすると聞くと、


「足を組まなくていいから楽そうだな。」


と感じる方が多くいるのではないでしょうか。


私もそう思っていました。





しかし、毎年1回のイス坐禅をしてみると、


「実はイス坐禅にはイス坐禅の難しさがある!」


と感じるようになってきます。






それは、“足が自由になる”のが原因です。


普段の足を組む坐禅の場合、足を組んでしまえば動かすことができず不自由です。しかし、動かすことができないと言うことは、意識をしなくても良いということも意味しています。


坐禅をするときには、姿勢を正し、呼吸を調え、心を調えます。


足の形を調えることは姿勢を正すという分野に入ります。


イスに座ると足は自由になります。


自由になると足は動き出します。


子供達の足を見ているとよくわかります。


無意識のうちに フラフラ動いてしまうのです。


ですから、私も「足を動かさないで!」と注意をします。


足を組んでいれば意識をしなくても調っていた足の形を、意識して調えなくてはいけないのです。






本来、“自由”は素晴らしいものです。しかし、


自由をはき違えると自分勝手になる


という言葉が示すように、坐禅の最中に「足が自由になった」と誤解をして足を自由気ままに動かしてしまえば、姿勢を調えることができず、結果としてせっかくの坐禅が坐禅でなくなる危険もあります。






イスでの坐禅では足が自由になるからこそ、足を動かさない権利を使わなくてはいけないのです。



子供達の足が動いてしまう姿を見るたびに「実はイス坐禅にはイス坐禅の難しさがある!」と感じると同時に、与えられた“自由”を活用しながらイスでも姿勢を調えることができるようになって欲しいと願っています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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