好き嫌いを離れた世界 その3
「全部良い」はとっても深い!
公園に行ったときチューリップが咲いていれば

「あ、チューリップがきれい!」
と感動することに違和感はありません。
菜の花が咲いていれば

「あ、菜の花だ!」
と感動することも違和感はありません。
名前が分からないは花であっても

「あ、きれいだ!」
と感動します。
禅の言葉に
勿嫌底法 【嫌う底の法勿し:きらう ていの ほうなし】
という言葉があります。
すべてのものにおいて、嫌うべきものは全くない。
ものごとの真実の姿を見ようとするなら、好き嫌いや選り好みを捨て去ることが大切である、という臨済義玄の教えを表す言葉です。
どの花見てもキレイだな~
と、好き嫌いなく花を見ることも「嫌う底の法勿し」だと言えるかもしれないと浅はかな私は考えてしまっていました。
そんな私に大切なことを短い一言で教えてくれた方がいます。
先日の記事で「焼香をする姿に学ぶことがありました。」という記事を書きました。
※記事はこちらをご覧ください。
この記事で紹介をさせていただいた、私達僧侶を指導し導いてくれる老師【ろうし】がその方です。
法要を終えて老師を駅までお送りする役を務めたときのことです。
老師が乗車する電車の発車時刻にはだいぶ余裕がありました。
車で駅まで送っても駅で1時間程待つことになります。
しかし観光地を回る時間はない。そこで少し回り道をして車から景色を楽しんでいただくことになりました。
海の良く見える道を通り、駅に向かっていたとき
「そういえば、近くに登呂遺跡がありましてね。」
と声をかけられました。確かに通り道に弥生時代の住まいなどを再現したことで有名な場所は駅の近くであり通り道です。
ですから、登呂遺跡の横も通過をすることにしました。
実際に登呂遺跡の近くに来ると、整備された木々や芝生の中に歴史を感じる建物が見えてきました。
「あ~登呂遺跡だ!」と感じていると、老師が
「お、カラスだ! うん、カラスだ!」
とおっしゃるのです。さらに、
「この辺りのカラスは大きいのぉ。うん、建物も立派じゃ」
と続きます。私の頭は大混乱です。言われてみると確かにすぐ近くに数羽のカラスがいたのです。
私は木々・芝生・建物しか見えていなかったのです。カラスは存在しているのに気がついていなかったのです。
花があれば花に感動し、美しい景色があれば景色に感動する。
それで良いと思っていました。
それが「嫌う底の法勿し」だと思っていました。
しかし、「うん、カラスだ!」の一言を聞いたとき
「嫌う底の法勿し」はそんな狭い世界を捉えている言葉ではなく、はるかに広く深い世界だと教えていただいた気がします。
美しい景色を見たときに 広く散らばった一つ一つの部分をしっかりと把握したうえで全てを感じこと、受け止めることが大切なのだと知りました。
「カラスだ!」の一言は
おまえは選り好みをして景色を見ている! 勝手にフィルターをかけて都合の良いものだけを見てはいけない!と言ってくれている気がします。
公園に行ったときチューリップが咲いていれば

「あ、チューリップがきれい!」
と感動することに違和感はありません。
菜の花が咲いていれば

「あ、菜の花だ!」
と感動することも違和感はありません。
名前が分からないは花であっても

「あ、きれいだ!」
と感動します。
禅の言葉に
勿嫌底法 【嫌う底の法勿し:きらう ていの ほうなし】
という言葉があります。
すべてのものにおいて、嫌うべきものは全くない。
ものごとの真実の姿を見ようとするなら、好き嫌いや選り好みを捨て去ることが大切である、という臨済義玄の教えを表す言葉です。
どの花見てもキレイだな~
と、好き嫌いなく花を見ることも「嫌う底の法勿し」だと言えるかもしれないと浅はかな私は考えてしまっていました。
そんな私に大切なことを短い一言で教えてくれた方がいます。
先日の記事で「焼香をする姿に学ぶことがありました。」という記事を書きました。
※記事はこちらをご覧ください。
この記事で紹介をさせていただいた、私達僧侶を指導し導いてくれる老師【ろうし】がその方です。
法要を終えて老師を駅までお送りする役を務めたときのことです。
老師が乗車する電車の発車時刻にはだいぶ余裕がありました。
車で駅まで送っても駅で1時間程待つことになります。
しかし観光地を回る時間はない。そこで少し回り道をして車から景色を楽しんでいただくことになりました。
海の良く見える道を通り、駅に向かっていたとき
「そういえば、近くに登呂遺跡がありましてね。」
と声をかけられました。確かに通り道に弥生時代の住まいなどを再現したことで有名な場所は駅の近くであり通り道です。
ですから、登呂遺跡の横も通過をすることにしました。
実際に登呂遺跡の近くに来ると、整備された木々や芝生の中に歴史を感じる建物が見えてきました。
「あ~登呂遺跡だ!」と感じていると、老師が
「お、カラスだ! うん、カラスだ!」
とおっしゃるのです。さらに、
「この辺りのカラスは大きいのぉ。うん、建物も立派じゃ」
と続きます。私の頭は大混乱です。言われてみると確かにすぐ近くに数羽のカラスがいたのです。
私は木々・芝生・建物しか見えていなかったのです。カラスは存在しているのに気がついていなかったのです。
花があれば花に感動し、美しい景色があれば景色に感動する。
それで良いと思っていました。
それが「嫌う底の法勿し」だと思っていました。
しかし、「うん、カラスだ!」の一言を聞いたとき
「嫌う底の法勿し」はそんな狭い世界を捉えている言葉ではなく、はるかに広く深い世界だと教えていただいた気がします。
美しい景色を見たときに 広く散らばった一つ一つの部分をしっかりと把握したうえで全てを感じこと、受け止めることが大切なのだと知りました。
「カラスだ!」の一言は
おまえは選り好みをして景色を見ている! 勝手にフィルターをかけて都合の良いものだけを見てはいけない!と言ってくれている気がします。
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