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昔話に学ぶこと 【わらしべ長者】

わらしべ長者という昔話があります。

最近になり初めてあらすじを知りました。私はこれまでわらしべ長者の話しは



500右足出して歩くこまめ

1人の貧乏人が最初に持っていたワラを物々交換していき、最後には大金持ちになる話。



500旗もってゴールこまめ

と思っていました。





ですから、“夢のあるおとぎ話”と思っていました。






・・・しかし


わらしべ長者の冒頭部分を知って驚きました。冒頭部分は



昔、ある1人の貧乏な男がいた。

毎日真面目に働いても暮らしが良くならないので、観音様に願をかけたところ、

「初めに触ったものを、大事に持って旅に出なさい」とのお告げをもらった。

男は観音堂から出るやいなや石につまずいて転び、偶然1本のワラに手が触れたので、そのワラを手に取った。





と、あったのです!!





そして、この貧乏な男は持っていたワラやその後交換したものも、欲しいと言ってきた人に迷うことなく渡し、その代わりになるものを差し出されれば迷うことなく受け取っていくのです。





冒頭部分を読んだ後、あらすじを思い出してみると“わらしべ長者”の話しは、仏教・禅の教えを伝えてくれていることに気がつきました。






仏教・禅では「こだわらない」ことを大切にします。


しかし、私達は普段の生活の中で取捨選択をします。


自分の都合の良いものを選んで手に入れ、必要ないものと判断したものを捨てていきます。






しかし、仏教・禅ではこの分別や取捨選択を嫌います。


こだわりのない心で 全てのことを受け止めることで私達は自分の命を生かしきることができると説くのです。




「初めに触ったものを、大事に持って旅に出なさい!」と言われた直後に偶然ゴミ(ワラ)を触ってしまったら・・・


私なら「こんなものはいらないから触っていないことにしよう。」「これは触ったのではなく手に当たったんだ」など理由をつけて“初めに触ったもの”をでっちあげてしまうことでしょう。




結果は明白です。


こだわりのない心でワラを手にすることができた貧乏人は幸せに、

こだわりの心で、取捨選択をしている私は いつまでも変わることなく迷いの世界をウロウロすることになるのです。





自分で判断し行動することは、普段の生活では非常に大切なことです。しかし、全てがそのような場面ではなく、ときには、こだわりの心を捨てて身を任せて生きていくことも大切だと感じます。


これからは、わらしべ長者のような昔話の奥深さを味わっていけるように 様々な昔話の内容を今一度確認して行きたいと考えています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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