写経会のときに どんな話しをしているの? その69

400年程前に活躍した医者であり科学者だったウィリアムー・ギルバートという方がいます。
磁石と電気について研究を進め、近代科学としての磁気学(と電気学)を開拓した方です。
この方が、世界で初めて地球が巨大な磁石のようなはたきをすることを明らかにした方であり、電気に関する実験を続けられた方です。そんなウィリアムー・ギルバートは著書の中で
このまるい磁石を、私たちは″小地球″と呼ぶ
という言葉を残しています。
地球は磁石であり、小さな磁石は地球と同じなのです。
400年が経ち、今では小学生でも方位磁石についても勉強をし、地球が巨大な磁石のような働きをすることを知っています。
禅の言葉(禅語)に
芥納須弥【芥に須弥を納る:かいに しゅみを いる】
とあります。
小さな芥子(けし)の粒の中に、仏教世界の中心に高くそびえる須弥山(しゅみせん)を入れる。
と直訳できる言葉です。
大小や高低などの相対的な比較を断ち切った、自由自在な心を表現する言葉です。
「地球は大きい、磁石は小さい」といった思い込みを捨て去り、自由な発想を信じて突き進んだウィリアムー・ギルバートは、それまでの常識を打ち破り、新しい常識を作り上げました。
“思い込みを捨てる”簡単なことではありませんが、大切なことだと感じます。
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