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白隠禅師とナイチンゲール

通っている大きな市立病院(地域の中では大病院)の看護師さんと話をしました。





看護師さん
「風邪を引いたときに行く地元の病院はどこですか?」


「・・・地元の病院ですか、行った記憶がありません。」

看護師さん
「え!? ここにしか行かない??」


「はい・・・」





そう言われてみると持病以外で病院にかかったことがないことに気がつきました。








そんな会話を看護師さんとしているときに、

近代看護教育の母と言われているナイチンゲールと江戸時代の禅僧である白隠禅師【はくいんぜんじ】の言葉の共通性を思い出しました。


ナイチンゲールの言葉に



「価値のある事業は、ささやかで人知れぬ出発、地道な苦労、少しずつ向上しようとする努力といった風土のうちで、真に発展し、開花する。」





という言葉があります。



ナイチンゲールよりも150年程前に活躍をした白隠禅師が残された書の中に「悳」(徳)という文字と共に書かれた



「いくら金を残しても子孫は使ってしまい、いくら本を残しても読まない。それより人知れず善行を行って徳を積むことが子孫繁栄の方法。」





という言葉があります。




悳 徳

※この言葉は司馬温公の家訓にある言葉です。


ナイチンゲールの言う“価値のある事業”とは看護師として多くの人を救うことであり、その先にあるものは“子孫繁栄”です。

そのためには、ナイチンゲールは「人知れぬ出発、地道な苦労、努力」が必要だと説き、白隠禅師は「人知れず善行を行うこと」が大切だと説いています。





白隠禅師とナイチンゲールは生きた時代も場所も違うので出会うことはありません。
イギリスのナイチンゲールが日本の禅僧が残した言葉を知っていた可能性も高くはありません。





しかし、その言葉には共通性があります。

これは何かを極め、奥深い世界を知ることができた方々が感じた真実であると思うと同時に、「人知れず」努力をすることの大切さを痛感しています。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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