お寺は 「人の為に何かする」ことを学ぶ場所

お寺の天井に吊り下がっているものを見たことはありますか?
名前を天蓋【てんがい】と言います。
天蓋は仏像や本堂の頭上に吊られる笠状の装飾で、もとは熱帯国のインドで、王様などの外出の際に使用した日傘に起源するものです。
大切な人と街を歩いていたら雨が降ってきた。
相手は傘を持っていないが、自分は持っている。
誰もが傘をさし、大切な人が雨に濡れないようにするのではないでしょうか。
2500年前、お釈迦様は教えを伝えるために、多くの場所を訪れています。
現代とは違い、当時の移動方法は歩きです。
教えを伝えるときも、炎天下の場所で説法をすることがあったことは容易に想像ができます。
そのとき、お釈迦様の頭上には日傘があったことでしょう。
誰かに強制されて日傘をさしたのではなく、大切な人の為に自然と傘を開いたのではないでしょうか。
大切な方を想い自然と日傘をさすことができる“心”を形にしたものが天蓋だと言えるのです!
お寺の中を見たときに、仏像や本堂の頭上に吊られる笠状の天蓋を目にすることがあると思います。
その際には、私達は誰かに強制されなくても、“人の為に何かする心をすでに持っている”ことを思いしていただければ幸いです。
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