人が安らぎにかえる為に・・・
以前、自分の住んでいる場所の近くにある大きな道路に鹿が出て騒ぎになったことがありました。
エサを求めて遠くまで来てしまったのでしょう、帰ることができず、さらにたくさんの人と車に囲まれてパニックになっていました。

頂いた色紙に
鹿は野にかえり
鳥は山にかえる
人は安らぎに 帰るなり
とあります。
鹿が野に、鳥が山にかえることは自然の出来事です。
同様に私達も安らぎに帰ることができる。
と、感じることもできるかもしれません。しかし、私は少し異なる捉え方をしています。
鹿も鳥も、あまりに離れた場所まで来てしまったらなかなか元の場所に帰ることはできません。
同様に人も安らぐ場所から離れてしまえば、帰ることはできません。
安らぐ場所は言うまでもなく、生まれたときから頂いている私達の中にある尊い心です。
その尊い心から私達は知らず知らずのうちに離れてしまいます。
離れたら帰れば良いのですが、離れていることに気がつかないからどんどん離れていって、とうとう帰れなくなり、迷い苦しむのかもしれません。
だからこそ、臨済宗妙心寺派の生活信条には
一日一度は静かに坐って 身と呼吸と心を調えましょう
とあるのです。「一日一度」 毎日安らぎに帰る習慣を作ることが
鹿は野にかえり
鳥は山にかえる
人は安らぎに 帰るなり
を実践する第1歩になるのではないでしょうか。
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