葬儀・葬式シリーズ 【5】 授戒会
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われて子供坐禅会で私が話した内容をまとめたものです。

葬儀・葬式シリーズ 【5】 授戒会
私は武士の生まれ変わり
生まれ変わりというものを信じますか?
今から30年程前の私が子供の頃、“生まれ変わり”や“前世【ぜんせい】”と言ったものが流行っていました。クラスの中に
「俺は武士の生まれ変わりなんだ!すごいだろ!!なんか、その頃のことを覚えている」
と言っていた男の子がいたことを覚えています。当時の私は
「そんなことあるもんか!そんな嘘をついてどうするんだ!」
と彼のことを否定しバカにしていました。
しかし、今の私は“生まれ変わる”ことは決して否定できないと考えるようになりました。
・・・武士とか、“昔の記憶がある”は信じ切れませんが。
授戒【じゅかい】 お葬式は仏教徒になるための儀式
お葬式は亡くなった方とのお別れの儀式です。
しかし、お別れをするだけではありません。
授戒会を行っています。
授戒会とは仏さまの弟子になるために様々な約束事を守ることを誓う儀式です。
この約束事とは
・むやみに多の命を奪わない
・嘘を言わない
・うらぎらない
・盗まない
など、人が人として幸せに生きていくための約束です。
仏教ではこの約束を“戒【かい】”と言います。
そして、約束を守ることを誓い仏教徒になった証として戒名【かいみょう】を授かるのです。
お葬式では,、参列者が亡くなった方に代わって授戒を勤め、その功徳によって亡くなった方に戒名を授与するのです。
授戒は亡くなった後にだけ受けるものではありません。年齢に関係なく受けることができます。そして、何度でも受けることができます。
そのため、生きているときに授戒を受けている方も、亡くなった後に今一度授戒を受けて旅立っていかれます。
人はいつでも生まれ変わることができる
授戒を受けて新しい名前ともいえる戒名を受け取ることは“生まれ変わる”と言ってもおかしくありません。
体は同じでも、心が生まれ変わっているのです。
授戒はいつでも何度も受けることができます。つまり人はいつでも何度でも生まれ変わることができるのです。
では、お葬式の際に行っている授戒では誰が生まれ変わるのでしょうか。
私は、お葬式に参列して一緒にお参りをしている方々が生まれ変わっているのだと思っています。
これまでの自分の心と、亡くなった方の心が一体となり、生まれ変わるのです。
そうすることによって、私達は亡くなった方の心を受け継ぎ、これからを生きていくことができるのです。
今回は
お葬式は、授戒と言って仏教徒になるための儀式。この授戒を受けることで戒名をいただくことができる。そして、お葬式に参列した人の心も生まれ変わり亡くなった方の心と一緒に生きていくことができる。
と覚えてもらえればうれしいです。
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