葬儀・葬式シリーズ 【4】 剃髪
この記事は東光寺(静岡市清水区横砂)で行われて子供坐禅会で私が話した内容をまとめたものです。
葬儀・葬式シリーズ 【4】 剃髪

ここはサツマイモ畑だったんだね!
畑でサツマイモを育てていたときの話しです。
サツマイモの苗は5月ごろ植えます。
収穫は秋です。
畑はお寺とは少し離れた場所にあり頻繁には畑に行けません。
でも、サツマイモは育てやすい作物です。
だから「畑を耕して、苗さえ植えれば大丈夫!畑に行かなくても大丈夫!」そんな油断をしていました。
5月から秋という植物が育つ絶好の季節に油断をするとどうなると思いますか?
信じられないほど雑草が生えてきます。
伸び放題です!!
しかも、伸びた雑草は作物が必要とする栄養分だけでなく、畑を管理しようとする心も奪い取ります。
その結果、雑草が伸びすぎてサツマイモの葉が完全に見えない状態になりました・・・
収穫時期になったので雑草をまとめて処理すると、近所の人に
「あれま~ ここはサツマイモが植わっていたんだ!! 全然気がつかなかったよ!!」
と言われてしまいました・・・
剃髪【ていはつ】
お釈迦様の弟子になるためには髪を剃ります。
ですから、私も髪を剃っています。
葬儀はお釈迦様のお弟子様になるための儀式です。
ですから、亡くなれた方も髪を剃ります(現在は儀式のみ)。
このとき、髪を剃ることで悩みや苦しみなどの煩悩から離れることを誓う剃髪偈【ていはつげ】というお経をお唱えします。
見えなくなる 素晴らしい心
仏教では、「私達は生まれたときから 仏様のような素晴らしい心を だれでも持っている」と説いています。しかし、サツマイモ畑をほっておくと雑草が生えてサツマイモが見えなくなるように この素晴らしい心も、掘っておくと悪い心が邪魔をして見えなくなってしまいます。
だからこそ雑草を処理するように 悩みや苦しみなどの煩悩から離れなくてはいけないのです。
髪の毛があるとどうしもて
「髪型決まっているかな!? かっこよく見られたいな!」
と、外側をきれいに見せようとがんばってしまい、内側をきれいにする時間を取れなくなってしまいます。
外側を気にする気持ちを無くすために、その気持ちを示すために髪の毛を剃るのです。
本格的な修行をするならば、実際に髪の毛を剃ることも大切です。
ですが、葬儀の場面では儀式をすること・剃髪偈をお唱えすることで悩みや苦しみなどの煩悩から離れことを誓うのです。
ですから、皆さんもお葬式の際に「剃髪」と聞こえたら、「剃髪をすることで 亡くなった人の心を綺麗にしているんだな。」と感じて、一緒にお参りをするようになってくれることを祈っています。
今回は
剃髪とは、お釈迦様の弟子になるためには髪を剃ること。髪の毛を剃る儀式をすることで悩みや苦しみなどの煩悩から離れる修行をしている。
と覚えてもらえればうれしいです。
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