小学校入学前の子供と食事の前のお経を唱えました・・・

「赤膳体験」という行事で東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある袖師保育園の園児が本堂にご飯を食べにやってきました。
※その際の様子はこちらの記事をご覧ください。
せっかくお寺に来てくれていますので、食事の前にみんなでお経をお唱えしました。
食事前の「誓いの言葉」である、食事五観文【しょくじごかんもん】をお唱えいたしました。
食事五観文は「食事の五つの誓い」とも言われ、昔ながらの言葉使いで
一つには、功の多少を計り彼の来所を量る
二つには、己が徳業の全欠をはかって供に応ず
三つには、心を防ぎ過貧等を離るるを宗とす
四つには、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり
五つには、道業を成ぜんが為に、将にこの食をうくべし
とお唱えします。難しい漢字が多いのでひらがなで表現すると
ひとつには こうのたしょうをはかり かのらいしょをはかる
ふたつには おのれがとくぎょうの ぜんけつをはかって くにおうず
みつには しんをふせぎ とがとんとうをはなれるを しゅうとす
よつには まさにりょうやくをこととするは ぎょうこをりょうぜんがためなり
いつつには どうぎょうを じょうぜんがために まさに このじきを うくべし
となります。一般的な訳は
一つ、すべてのものに感謝してこの食事をいただきます
二つ、自分の日々の行いを反省してこの食事をいただきます
三つ、欲張ったり残したりしないでこの食事をいただきます
四つ、体と心の健康のためにこの食事をいただきます
五つ、みんなが幸せになるためにこの食事をいただきます
と言ったものです。
残念ながらこの文章を小学校に入学する前の子供達が読んでも理解しきれません。
そこで、今回は彼らが普段から使っている言葉で伝えようと考えました。
ごはんを食べる前に5個の大切な気持ちを持ちましょう
1つ目は「ありがとう」という気持ち
作ってくれた人、運んでくれて人、収穫してくれて人、全ての人・ものにありがとうという気持ちです。
2つ目は「ごめんなさい」という気持ち
私が生きていくために、あなたの命をもらいます、ごめんなさいという気持ち。
3つ目は「悪いことをしません」という気持ち
好き嫌いをしません、他の人からとりません、残しませんという気持ちです。
4つ目は「薬としていただきます」という気持ち。
薬を飲むときにとっても大切に飲みます。その薬と同じように食事も大切にいただきますという気持ちです。
最後の5つ目は「がんばります」という気持ち。
ごはんを食べた力で みんなのためにがんばります という気持ちです。
このように話をしましたが、彼らの心に響いたか、確証はありません。
しかし、改めて食事五観文について考えたとき、自分自身が本当に「ありがとう、ごめんなさい、悪いことをしない、大切にする、がんばる」という気持ちを今でも大切にしていると言いきれないのではないかと感じました。
たとえ、子供達に伝わっていなかったとしても、
改めて食事への向き合い方を考えるきっかけをいただき、自分自身は食事五観文を大切にして言ことを心に誓いました。
※食事五観文について以前詳しく記事にさせていただいています。興味のある方は是非ご覧ください!
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