落ち着くと「おかげさま」に気がつくものです。

あまり一般の方には知られていないが、業界の人には常識になっていることはどの業界にもあるのではないでしょうか。
お坊さんの研修会が友引【ともびき】に集中することも、そのひとつではないでしょうか。
地域によりますが、友引に火葬場が稼働しないため葬儀が入りにくいため、予定が立てやすいと言ことで研修や多くの僧侶が参加する法要などは友引に集中します。
そのような事情により、先日どうしても参加しなくてはいけない研修が2つ重なってしまいました。
1つは友引の前日から友引の午前中までの一泊二日の研修会。
もう1つは友引の午後から翌日の午前中までの一泊二日の研修会でした。
しかも会場が、1つ目は地元の静岡県沼津市。そして次の研修は東光寺(静岡市清水区横砂)の本山である京都の妙心寺でした。
調べてみると、両方参加できる電車が1つだけありました。
しかし、最寄り駅からの電車に1本でも乗り遅れたら2つ目の研修に間に合いません。
2つ目の研修は夕食後夜遅くまで講義内容について深く話し合いをする研修ですので遅刻はしたくありません。
1つ目の研修終了後、私のバタバタ珍道中が始まりました。
研修会場から乗車駅までは車で約60分。当日は雨が降っており、いつもより交通量が多く混んでいたため予定よりも時間がかかってしまいました。
間に合うかドキドキしながら予定していた駐車場に向かいますが・・・
まさかの満車!このときすでに電車の発車時間5分前・・・
あきらめてはいけないと自分に言い聞かせ、ドキドキしながら慌てて少し離れた駐車場に向かいます。
車を止めて時計を見ると3分前。
荷物を抱えて比較的混んでいた駅前を衣のままダッシュ!
老若男女多くの視線を感じながらもなんとか走り続け、私がホームに到着すると同時に電車もホームに入ってきました。
ハアハアと息を切らせていましたが、電車に乗れた喜びで「最後まであきらめずによく走った!」と自分を褒めてあげたい気持ちになりました。
電車に乗れば慌てることはありません。
やがてハアハアとしていた息も落ち着いてくると、様々なことを感じるようになります。
良く間に合った!と自分を誉めていましたが、よく考えれば奇跡の連続だったと気がついたのです。
1つ目の研修が時間通りに終わったこと、
私がすぐに帰らなくていけないことを知っていた方が書類などを早めに渡してくれたこと、
混んではいたが、事故など起こらず順調に運転ができたこと、
予定外の駐車場に止めることになったが、出入りがしやすい場所が空いていたこと、
駅まで走っている私の前にだれもいなかったこと、
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数え始めるときりがありません。
たくさんの「おかげさま」に支えられていることに気がつきました。
そして大した成果を上げてもいないのにも関わらず「自分を誉めてやろう!」などという独りよがりな気持ちになっていた自分が恥ずかしいとも感じました。
ハアハアと息を切らしているときには周りが見えず、「おかげさま」に気がつけません。
そう考えると、普段の生活の中で「自分だけはがんばっている」、「自分は正しく評価されない」などと独りよがりになっているときは、肉体的に息を切らしているのではなく心が息を切らしている状態だったのです。
そして、素直に「おかげさま」と感じたときが、心の息が調った状態 つまり心が調った状態なのだと感じました。
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