六波羅蜜【ろくはらみつ】シリーズ その5:禅定
子供
「和尚さん、心を落ち着けるって 何をされても怒らないことですか?」
僧侶
「うーん。怒るときは怒り、怒らないときは怒らないのが 心が落ち着いていると言うことだよ。」
子供
「え、怒っても心が落ち着いているの?」
僧侶
「そうだよ。でも、怒っちゃいけないときに怒っている人は心が落ち着かない人だよ」
このような内容の会話を聞いたことがあります。

仏教の大切な教えに禅定【ぜんじょう】があります。
禅定とは坐禅をして心を落ち着けることです。
仏教では人の心を水面に例えます。水面(心)が落ち着いていれば、周囲の姿をありのままに写すことができ、乱れれば映し出すことはできません。

シールの絵を見てみると、ひとりはニコニコしていて、ひとりは怒っています。
しかし大切なのは表情ではありません。
手に持っている桶が震えているかどうかが問題です。
心が落ち着いていれば桶は震えず水面は静かです。
そして、静かな水面にニコニコした顔が映っています。
反対に、心が落ち着かないでいれば 手は怒りに震え その振動が水面に伝わります。
振動した水面は何も映し出すことはできないのです・・・
ですから、ニコニコしているのか怒った表情をしているのかが問題ではないのです。
例え表情が怒っていても 心が調っていれば持っている桶の水面は落ち着きます。すると、その怒った顔もしっかりと写し出されます。
この全てを映し出す桶の姿こそが、心が落ち着ている状態ではないのでしょうか。
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