六波羅蜜【ろくはらみつ】シリーズ その3:忍辱
“できるけど やらない” と “できない” には大きな違いがある。
という言葉が好きです。
病気になって回復をすると、その病気に対して抵抗ができて同じ病気になりにくくなりましが、一度も病気になったことがないと、抵抗ができていないので病気になりやすく重症化しやすくなります。
一度病気になって抵抗ができている人と抵抗ができていない人に普段は大きな違いはありません。
しかし、いざというとき(病原菌がやって来たとき)には大きな違いがあります。
これが “できるけど やらない”と“できない”の違いのひとつです。

仏教の大切な教えに忍辱【にんにく】があります。
苦しみを乗り越える力を養うことを「忍辱」と言います。
この世は、四苦八苦の世界であり、その中で生活している事実を認めることが忍辱なのです。
最近、「耐えなくてもいい」、「やりたくないことはしなくてもよい」そんな考え方が良いと言われることが増えた気がします。
仏教語辞典を開くと忍辱の部分に
・耐え忍ぶこと。
・あらゆる侮辱や迫害に耐え忍んで怒りの心をおこさないこと。これを実践することによって、すべての外からの障害から身を保護することができるので、忍辱の衣や忍辱の鎧(よろい)といわれる。
と書いてあります。
普段から、耐え忍んで怒りの心をおこさない修行をすることで、外からの障害から身を守れるようになるのです。
「耐えなくてもいい」ではなく、「耐えることはできるけど、耐えなくて良いときは耐えなくて良い」
という選択肢を持つことも大切なのではないでしょうか。
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