六波羅蜜【ろくはらみつ】シリーズ その1:布施
最近聞いた言葉の中で
どこか遠くにパワースポットがあるんじゃない!
一番のパワースポットは御先祖様のお墓ですよ。
という言葉が印象に残っています。

仏教の大切な教えに布施【ふせ】があります。
布施とは自分の持っているモノなどを、見返りを求めずに深い愛情を持って施しをさせていただく事。 お互いが、できることを精一杯しながら助け合うことを言います。
「見返りを求めず、深い愛情を持って施しをする」
簡単なことではありません。
先日、網代笠【あじろがさ】について記事を書きました。
※記事(なぜ晴れた日に傘が必要なのか!?)はこちらをご覧ください。
その中で、
網代笠をかぶり托鉢【たくはつ:僧侶が器を持って町や村を歩き、食を乞うこと】をすることで、一般の人は僧侶の顔が見えず、僧侶も食事を分けてくれる方の顔が見えないため「あの人は良い この人は嫌!」という選り好みをする気持ちを起こさなくて済むのです。
と紹介をさせていただきました。
托鉢も布施のひとつです。
好きな人に「何かをすること」は難しくありません。
しかし、許せない人や大嫌いな人のために「何かすること」は難しいことです。
やりやすいランキング(もちろんそんなものはありませんが・・・)にしてみれば
1位:好きな人にプレゼントする
2位:知らない人にプレゼントする
3位:大嫌いな人にプレゼントをする
となります。
布施は「見返りを求めない」ことが大切です。それと同時に「選り好み」をしないことも目指します。
ですから、許せない人や大嫌いな人のためにも「何かすること」を目指すのです。
托鉢のときにかぶる網代笠は さきほどのランキング2位の「知らない人にプレゼントをする」の練習でもあり、2位が自然とできるようになることが3位の「大嫌いな人にプレゼントをする」への大きな一歩になってくるのです。
同じように、お花やお菓子そして真心をお供えする御先祖様へのお墓参りも普段の生活で自然と誰かのために何かをする大きな第1歩になってくるのではないでしょうか。自分自身が大きく飛躍できる場所だからこそ、「1番のパワースポットは御先祖様のお墓です。」という言葉が出てきたのではないでしょうか。
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