富士山を「有難い」と感じたとき 【 間が大切 その2 】
「間」は大切です。
「間」を取ることで 「当たり前」を「ありがたい」に戻すことができることもあります。
どこから見ても富士山はきれいです。
間違いありません。
でも、その中から1番きれいに見える場所はどこかと聞かれれば 私は、
「富士川から見た富士山」
と答えます。

本当にきれいだと感じます。
私は富士山が丸見えの高校に3年間通いました。
ちなみに、私は高校3年間で欠席は1日だけです。
ですから私は、毎日 毎日 美しい富士山を見ていました。
もちろん、「きれいだな」とは感じていました。
しかし、いつの間にか
富士山が目の前にあることが あたりまえ
という感覚になっていました。
そんな私は高校卒業後、関東の大学へ進学し1人暮らしを始めました。
富士山は全く見えませんでしたが、充実をした毎日を過ごしていました。
季節は過ぎ去り大学1年生の冬休みのことです。
年末年始のお寺での手伝いも終わって、電車に乗って下宿へ戻ろうとしていたとき
「うわぁ、すごい!」
と思わず声が出てしまいました。
電車で富士川を渡るとき、そこには3年間 毎日のように眺めていた富士山があったのです。
高校時代、美しい富士山を見て
「きれいだな」
と感じていましたが、いつの間にか「当たり前」の存在になっていました。
しかし、しばらく富士山を見ることができない「間」があって 富士山を見ると
「きれいだな!」を超えて「すごい!」と感動するようになっていました。
「こんな美しい富士山を毎日見ることができていたなんて なんと有難いことなんだ。」
と素直に感じたことをよく覚えていますし、富士川から美しい富士山を見るたび、あの時の感動を思い出します。
「間」を取ることで 「当たり前」を「ありがたい」に戻す以上に、「ありがたい」に囲まれていたことに気がついたできごとでした。
やっぱり「間」は大切です。
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