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大根に学ぶ その5 【下茹で】

600染みた大根1811044



味が染みた大根の煮物を作ろうとするときにはいくつかのコツがあるようです。


そのひとつが 下茹で です。


いったん準備した大根を茹でることで、大根の細胞膜を壊すことができます。


いったん細胞膜が壊れれば、味が染みやすくなるということです。




先日の記事でも紹介したように味を染みこませるためには


ただ煮汁の中につけておきます。

温度が下がっていく過程で中までダシが染みていくからです。



と書きました。



これは、いったん沸騰させ茹でた煮汁にそのまま漬けておくことを紹介した文章です。


下茹でも、煮込みも、いったん沸騰し細胞膜という壁を破壊しているのです。






人が何かを学び大きく飛躍しようとしたとき、自分がこれまでの経験から作っている心の壁を破壊することが大切なことは多くの人が知っています。



そして、この壁を壊すことが困難なことも知っています。





昔から「道」を究めるために修行をしたいと考えたとき入門するまでに多くの関門がありました。


禅の修行道場でも厳しい関門があり、数日間玄関で頭を下げ続け、その後小さな部屋に移され、さらに数日間坐禅を続けてようやく入門が許されます。



下茹でと煮込みで細胞壁が壊されて初めて味が染みこみやすくなるように、厳しさを体験することで自分の経験を捨て、修行での学びが染みこんでくるのかもしれません。






厳しいことに直面したとき 味が染みた大根を思い出すことで その厳しさが自分の為になると信じることができるのではないでしょうか。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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