大根に学ぶ その3 【味が染みた大根】

先日、大根の煮物を作りました。
味が染みた煮物にしたいと考えていました。

表面は十分に味が染みているようです。
しかし、切ってみると・・・

残念。
まだまだ染みていません。
では、どうしたら良いのでしょう!?
・・・何もしません。
ただ煮汁の中につけておきます。
温度が下がっていく過程で中までダシが染みていくからです。

時間が経てば ご覧のようによく染みた大根の煮物の完成です。
お寺では仏教の教えを学びます。
学校では国語や理科など様々な教科の勉強をします。
何かを学び、吸収することは大根の煮物に味が染みる過程と似ているように感じます。
理科の勉強を学校でする。
→家に帰って何もしない。
→忘れる
これでは話になりません。
理科の勉強を学校でする。
→家で復習する
→テストで正解を導き出せるくらいに見につく
これは、中まで味が染みていない大根のような状態。
理科の勉強を学校でする。
→家で復習をする
→家庭学習以外でも学習内容を思い出す
→日常生活の中に勉強した内容が応用できることに気がつく
これが中まで味が染みた大根のような状態ではないでしょうか。
お寺での体験も同じだと思います。
お寺で坐禅を体験して帰っていく。
これも立派な姿です。
しかし、この時だけの体験にしてしまったら中まで味が染みていない大根のような状態です。
もったいない・・・
体験した坐禅を日常に生かせるようになることこそ、芯まで味が染みた大根のように、“味のある人“になることだと思います。
坐禅は 体と呼吸と心を調えます。
もちろん長い時間坐ることが理想です。
しかし、時間が取れないから何もしないのは良くありません。
短い時間、1回の呼吸でもかまいません。
毎日、バタバタとした日常を離れて 姿勢を正してゆっくりと一呼吸する習慣を身につけることで芯まで味が染みた大根のような人になれると思います。
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