お布施にポイントはつきません
お布施(善行)には功徳もポイントもありません。
善行は自動的に必ず誰かのもとに届きます

現在、電子マネーが当たり前のように使われています。
「神社やお寺でもお賽銭を電子マネーで行えるようなった」
といったニュースを目にすることもあります。
「お賽銭やお布施は現金でなくてはいけない」などということはもちろんありません。
布施とは 自分の持っている物を分けたり、できることを 人の為、誰かのためにすることを意味しています。
ですから布施はお金である必要もありません。
※「布施」の中には自分の財産を施す 「財施【ざいせ】」 という行為もあります。
最近では電子マネーとポイントカードが一体になっているものありますので、“お賽銭やお布施にポイントがつく“なんて考える人が出てくるかもしれません。

その名もずばり「TERA POINT(寺ポイント)カード」
※もちろん 想像の世界です。
しかし、残念ながらこんなポイントカードは存在しません。今後もできないと思います。
禅の逸話の中にこのようなお話があります。
達磨大師と梁の武帝の問答(梁の武帝:中国の皇帝。非常に仏教に理解があった方。)
達磨大師がインドからやって来られたときのことです。
凄く立派な和尚さんがインドからやってきたことを聞いた梁の武帝は達磨大師をお招きして、質問するのです。
「私は、皇帝の位にいます。私は皇帝になってから、たくさんの人を助けた。寺も建てたし、写経もしました。仏像まで作りました。私にどんな功徳があるでしょうか?」
と尋ねました。これに対して、達磨大師は
「無功徳。」
と答えたのです。
功徳が無い、功徳なんてありゃしないよって、お答えになりました。
すると、梁の武帝は、「え、なんで無功徳なんですか」と、たずねました。すると達磨大師は、
「功徳を期待して、善根【ぜんこん:善い行い】をすることは本当の善根ではない。」
と話されたのです。見返りを求めた時点で善根は善根で無くなってしまうのです。
現在、買い物などをしてポイントを貯めると、貯まったポイントによって私達は様々な恩恵をうけることができます。自分が支払った金額に応じたポイントが自分に還ってくることを期待します。
普段の生活では問題は何もありません。
しかし、「無功徳:功徳を期待してはいけない」という教えを説くお寺では自分への利益を優先するポイントを付けることができないのです・・・
「TERA POINT(寺ポイント)カード」実物にお目にかかることはないでしょう・・・
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