「かぁぁぁぁつ!!」 と言われて起きたことはありませんか

皆さんの中に葬儀の最中に「かぁぁぁぁつ!!」 と言われて起きた経験がある人はいませんか。
臨済宗の葬儀を経験した方なら
「私は何度かあります・・・」
という人もいるのではないでしょうか。
最近、ブログで葬儀の喝について
「心に残っている葬儀での光景」
「葬儀(お葬式)で「喝!」と叫ぶ理由」
という記事を書きました。記事では
臨済宗の葬儀では、死者の今生への迷いを断ち切り、悟りの世界に導くために
「かぁぁぁぁつ!!」
と大声で導師(葬儀の中心となる僧侶)が一喝をします。
など紹介をしています。
この話を書いているときに思い出した、私の好きな話を紹介させていただきます。
ある臨済宗のお寺で葬儀が執り行われました。
喪主は大切な方を亡くした男性です。
男性は悲しみの中 数日間ほとんど休むことなく葬儀などの準備をされていました。
そのため、葬儀が始まると疲れが出てついウトウトし始めてしまいました。
すると、突然 大きな 大きな
「かぁぁぁぁつ!!」
という声が聞こえてきました。
男性はビックリして音を立てて体を動かしながら目を覚ましました。
寝ていて怒られたとばかり思った男性は、葬儀終了後に和尚様の所へ挨拶へ行きました。そして
「先ほどは和尚様に 喝! と怒られてビックリしました。本当に申し訳ございませんでした。」
と謝罪したのです。
すると和尚様は
「決して怒って 喝! としたわけではありませんよ。亡くなった方を悟りの道へ導くために 喝と唱えました。喝を聞いて起きたのなら、それはとっても尊いことですよ。あなたも亡くなった方と一緒に悟り世界へ行けたんですから。」
と答えたのです。男性は和尚様のいうことがよく理解できませんでした。すると和尚様は続けます。
「仏教では目覚めることを悟ると言うんですよ。だから、目覚めたと言うことは悟ったということです。亡くなった方も今回 悟りの世界導かれていますので、あなたと亡くなった方は一緒に悟りの世界へと到達したと言えますね。」
この言葉を聞いて男性は 自分が怒られたわけではないこと、そして大切な方と一体になれたことを知って安堵の表情でニッコリとされていました。
この和尚様は葬儀での一喝だけでなく、その後の言葉で男性に安心【あんじん】を与えているように感じます。
私は男性の心を調えた和尚様の一喝とその後の言葉に感動したことを今でも忘れることができません。
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