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かっこいい霊柩車

500空と雲


ある葬儀での出来事です。


出棺の際、霊柩車を見た3歳くらいの男の子が


「かっこいい、これ乗りたい」


と大きな声で言いました。


その霊柩車は、最近見かけることが少なくなった「宮型」の霊柩車でした。


最近見かける霊柩車はほとんどが「洋型」です。


以前見たNHKの番組で、宮型の霊柩車はほとんど見なくなった理由の中に


派手で目立つ霊柩車を見ると「死を意識してしまう。」や「縁起が悪い。」と感じる人がいるため、敬遠されることが多い




と言ったものがありました。




誰にでも死は必ず訪れます。


避けることはできません。


だからこそ、死を受け入れる心が必要です。


そのためにも普段から死(いのち)を意識しなくてはいけないはずです。


しかし、私達は普段の生活の中で死(いのち)を避けたり遠ざけてしまいがちです。


その象徴的な事例こそ、宮型の霊柩車を嫌がることなのではないでしょうか。





霊柩車を「かっこいい」と言った小さな男の子には、余分な知識や思い込みがありません。


彼自身の目で見て感じた正直な心こそ「かっこいい、乗りたい!」だったのです。


小さな男の子がこの正直な心を忘れないで欲しいと勝手に願っています。


さらに、自分自身にもこのような素直に物事を受け入れることができる心があったことを見つめ直す必要性を強く感じます。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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