心の「象」を消してみよう!

妻が「マインドフルネス」の本を読んでいて興味深い記事を紹介してくれました。
※マインドフルネスとは仏教の教えや実践をもとにした瞑想の方法のようです。
その記事は
1.頭の中で象を思い浮かべる
2.その象を頭の中で消してみる
という実験からはじまります。頭の中に象を思い浮かべることは誰にでもできますが、その象を消すことは難しいのです。消そうと思えば思うほど象が頭の中を駆け巡ります。
しかし、ここで
3.足の指をできるだけ開き、その後ギューと閉じる
という動作を繰り返すといつの間にか頭から象がいなくなる
といったものです。
「象」は自分の悩み・苦しみなどを表しているように感じます。
その象を好き勝手させてしまえば、象に自分の意識を占拠されてしまいます。
そこで、象とは関係ないことに集中することで、象が消えてなくなるのです。
これは、まさに坐禅の呼吸だと感じます。
坐禅では3つのものを調えます。
1つが体、もう1つは呼吸、そして体と呼吸が調うと自然と心が調ってきます。
体とは姿勢です。ですから姿勢を調え呼吸を調えるのですが、呼吸の調え方が数息観【すそくかん・すうそくかん】です。これは息の数を数えることを言います。
説明するときも
坐禅の最中は自分の呼吸を数えましょう。吐く息を心の中で、ヒトーツ、フターツ・・・と数え、トーオまで数えたらヒトーツに戻ります。初めのうちは他のことを考えてしまい、なかなか十(トーオ)まで集中して数えることができませんが、どこまで数えられるか挑戦してみてください。
と説明をします。
静かに坐っていても、どうしても他のことを考えてしまいます。そこで呼吸に集中するのです。集中することで心の中の「象」を追い出していくことができるのです。
この記事を読んだとき、立派な和尚様が坐禅の説明をするときに
坐禅は心の掃除です。
心という場所を掃除しているときに荷物が届いても開けてはいけません。開ければいろいろなものが出てきて汚れてしまいます。
ゆったり坐って、ゆったり呼吸をすることで、新たな荷物を開けることなく、心にたまった汚れを掃除していきましょう
と話されたことを思い出しました。
西洋で現在注目されているマインドフルネスは実は古くから伝わる伝統的な呼吸法に由来しているのです。
伝統=古い、めんどくさい
と思われがちですが、伝統には大切なものが詰まっていると改めて感じます。
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