心が静かになると 音が聞こえなくなる? その1

坐禅して、何も聞こえないというわけではありません。
白山の小池老師は90歳くらいまで毎朝2時間も坐禅をしていましたが、終わると今日は鳥が鳴いていた、ウグイスがきていた、鳥がやかましかったとよく言われていた。
はじめは老師は無心になっていないのかな、などと思ったものですが、ありのままに聞こえるのです。逆に心になにかひっかかることでもあると、何も聞こえなかったりします。思い悩んで道を歩いていては、まわりの景色もなにも目に入ってきません。
円覚寺派管長 横田南嶺老師の著書「祈りの延命十句観音経」の言葉です。
以前、興味深い実験結果を聞いたことを思い出しました。
坐禅を科学的に検証する実験です。
その実験は、私のような未熟な僧侶と坐禅を極めた老師【ろうし】と呼ばれる僧侶に脳波を調べる機械をつけて坐禅をしてもらったそうです。
そして、坐禅中に一定の間隔で鐘の音を鳴らします。
すると、未熟な僧侶は坐禅をしていると鐘の音に初めは反応しているものの段々に鐘の音に脳が反応しなくなったそうです。
しかし、老師はいつまでも脳が初めて鐘の音を聞いたときと同じように反応し続けたそうです。
鳥の声が聞こえること、鐘の音に反応し続けることを「ありのままに見る」と言うのだと思います。
東光寺で現在「子供坐禅会」を開催していますが、
私は坐禅中に雨が降てくれば気がつきますが、いつの間にか雨が降っていること、雨の音が聞こえなくなっています。
・・・未熟者の代表として、これからも坐禅を続けていかなければならないと感じる毎日です。
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