あの旗にはなんて書いてあるんですか?? 【施餓鬼】

「あの旗にはなんて書いてあるんですか??」
と、施餓鬼【せがき】の法要に初めて参加される方に聞かれることがあります。
※施餓鬼について詳しくはこちらをご覧ください。

確かに見慣れない旗がかかっています。

しかも漢字が書いてある。
無病息災、諸縁吉利、心願成就
などの言葉なら、普段は使わなくても漢字を見れば何となく意味が分かります。
しかし、これらの漢字はあまりになじみがないかもしれません。
実は、施餓鬼の由来となっているは
救苦焔口餓鬼陀羅尼経【ぐくえんくがきだらにきょう】というお経です
※由来についてはこちらをご覧ください。
短く、強引にまとめると、施餓鬼は
欲張る心・むさぼる心を表す餓鬼【がき】に食べ物などをお供えする法要です。
そして、お供えすることで自分自身の中にある餓鬼の心と向き合う法要なのです。
そして、気になる旗には仏様の名前が書いてあるのです。
それが、
多宝如来【たほうにょらい】
妙色身如来【にょうしきしんにょらい】
広博身如来【こうはくしんにょらい】
離怖畏如来【りふいにょらい】
です。
それぞれの最初に書いてある「南無【なむ】」は尊敬する、敬う、大切にする、帰依するなどの意味がある言葉です。
ですから、「南無多宝如来」であれば
多宝如来に帰依いたします。多宝如来を大切に拝みます
といった意味になるのです。
なぜ、この4人の仏様の名前が書いてあるのかと言えば、
施餓鬼の由来になった救苦焔口餓鬼陀羅尼経【ぐくえんくがきだらにきょう】に次のような教えがあるからです。
仏は阿難に言われた
「阿難よ、もしこの食べ物を施す作法を実施しようとするならば
清らかな器の中に清らかな水を入れ、重湯や餅、飯などを少しばかりその中に入れて
4人の仏様(多宝如来【たほうにょらい】、妙色身如来【にょうしきしんにょらい】、広博身如来【こうはくしんにょらい】、離怖畏如来【りふいにょらい】)の名前を唱えなさい。
この4人の仏様の名前は、施餓鬼の法要中にお唱えする開甘露門【かいかんろもん】というお経の中にも出てきますので、法要に参加しお経をお唱えしたことがある方には目にしたことがあるのではないでしょうか。
施餓鬼の法要では施餓鬼棚【せがきだな】と呼ばれている棚に水や食べ物をお供えします。
そして、その周囲には4人の仏様の名前が書かれた旗を立てるのです。
この姿こそが、仏様が阿難に伝えた
清らかな器の中に清らかな水を入れ、重湯や餅、飯などを少しばかりその中に入れ4人の仏様の名前を唱えなさい。
という教え、そのものなのだと私は考えています。
施餓鬼の法要に参加したとき、揺らめく旗を見たときには
「この旗には仏様の名前が書いてあるんだ!」
と感じて、法要中などに仏様のお名前を唱えていただければ幸いです。
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