窓ふきと修行

先日、何人かの人でガラスの掃除をしようとしたとき、
ある人はガラス用の洗剤を用意し、
ある人は乾いた雑巾を、
ある人は水拭き雑巾とからぶき雑巾、
ある人は濡れた新聞紙を用意しました。
同じ窓掃除なのに道具がみんな違います。
結果としては汚れ具合などによって、そのとき そのときで差はありますが、どれでもきれいになりました。
仏教では私達の心を鏡に例えることが多くあり、本来はこの鏡はありのままに全てのものを映すことができるのです。
しかし、日常の生活を送る中でどうしても鏡は汚れてきてしまいます。
鏡をきれいにするためには掃除が必要です。
心をきれいにするにも、心の掃除が必要です。
心の掃除に必要なのが「修行」です。
修行には様々な種類があります。
坐禅、読経、作務、食事・・・
窓の掃除をするのに様々な方法があります。
洗剤、雑巾、新聞紙・・・
どれでも窓がきれいになったように、
様々な修行があっても、どの修行でもしっかりと取り組むことで心の掃除をすることができるのです。
東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。
臨済宗とは「禅」の教えを大切にする宗派であり、坐禅をとても大切にしています。
東光寺でも坐禅会を開催し一般の方にも禅の教えを体験していただいています。
※坐禅会(毎月開催)についてこちらをご覧ください。
※子供坐禅会(長期休暇に開催)についてはこちらをご覧ください。
しかし、禅宗だからといって“坐禅だけ”をしているわけではありません。
お経を唱えることも修行です。
掃除など作務【さむ】と呼ばれる作業も修行です。
食事も修行です。
このようなことを話すと
「では、どの修行が一番良いのですか」
と聞かれることがあります。しかし、どれが一番良いのかなど答えることはできません。
窓の掃除に何が有効かあれこれ話し合っても窓はきれいになりません。
どれが一番良い修行なのかと、あれこれ考えている時間よりも一歩を踏み出して様々なことを体験してみることが一番良いように感じます。
これから夏が始まります。東光寺だけでなく様々なお寺で多くの行事が営まれます。
自分から一歩を踏み出して、多くのことを体験してみてはいかがでしょうか・・・