開山無相大師と十牛図【その4】

東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。
臨済宗は禅宗とも言われる禅の教えを大切にする宗派であり、本山は京都にある妙心寺です。
ですから、禅の教えや妙心寺の最初の住職である開山無相大師【かいさん むそうだいし】の教えを大切にしています。
この禅の教えと無相大師の生涯を説いた「無相大師の禅・十牛図 (則竹秀南老師著)」と出会い、その内容を平成30年春の子供坐禅会で話をさせていただきました。自分自身の備忘録としてその内容をまとめたいと考え記事にさせていただいています。
十牛図【じゅうぎゅうず】とは、本当の自分(仏の心)を見つけるための過程を10の段階に分けて示した禅の書物です。10の段階を1つずつ紹介させていただきます。
今回は、その4回目です。
その4 得牛【とくぎゅう】

。牛を捕まえたところ。しかし牛は暴れて逃げるかもしれないので縄などで捕まえておく必要がある
最近はスマートフォンを使っている小学生を見ても驚くことが無くなったように感じます。
子供は機会を触ることへの恐怖心は大人より少ないと思います。
ですから自然と使いこなすまでの時間は大人よりも短くなってきます。
しかし、スマートフォンを
「自由に使っていいよ!」
と子供に渡す大人はほとんどいません。もちろん、危険だからです。
便利なものですが、使い方を誤れば詐欺にあったり、個人情報を流失させてしまう可能性があります。
ですから、安全に使ってもらうためには大人はセキュリティーの設定をして子供にスマートフォンを渡します。
しばらくして子供がスマートフォンを正しく使いこなすまで親はしっかりと見守る必要があるのです。
十牛図では、牛は本当の自分を表しています。本当の自分のことを「悟り」とも言います。
残念ながら未熟な私は悟っていません。
ぼんやりとも見えていません。
ですから、無相大師の生涯から学んでいきたいと考えています。
無相大師は京都で師匠となる僧侶と出会い、徹底的に御修行されます。そして師匠に悟りを開いたことを認められます。
しかし、師匠に
「しばらく悟りの後の修行をしなさい」
と言われたのです。
十牛図に
牛を捕まえたが牛は暴れて逃げるかもしれないので縄などで捕まえておく必要がある
と、あるように徹底した修行で得た悟りを完全に自分のものにしようとされたのです。
これが、得牛【とくぎゅう】とのことです・・・
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