開山無相大師と十牛図【その3-2】
東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。
臨済宗は禅宗とも言われる禅の教えを大切にする宗派であり、本山は京都にある妙心寺です。
ですから、禅の教えや妙心寺の最初の住職である開山無相大師【かいさん むそうだいし】の教えを大切にしています。
この禅の教えと無相大師の生涯を説いた「無相大師の禅・十牛図 (則竹秀南老師著)」と出会い、その内容を平成30年春の子供坐禅会で話をさせていただきました。自分自身の備忘録としてその内容をまとめたいと考え記事にさせていただいています。
十牛図【じゅうぎゅうず】とは、本当の自分(仏の心)を見つけるための過程を10の段階に分けて示した禅の書物です。10の段階を1つずつ紹介させていただきます。
今回は、その3回目の番外編です。

ペットボトルに入った水とスポーツドリンクです。
見れば違いが分かります。

こちらはペットボトルに入った水と塩水です。
見ても違いは分かりません。
しかし、飲んでみれば どちらが塩水かすぐに分かります。
無相大師の禅・十牛図 (則竹秀南老師著)一節で
その3 見牛【けんぎゅう】、つまり悟りを開くことについて
心の牛(悟り)は見えないが 日常生活の中にちゃんと働いて出てきております
と示しています。さらに、
塩水も目には見えないが、確かに塩は中に入っています。
確かめるためには飲むしかない。
とも示されています。
私達の中に確実にある「仏の心」が塩であり、「私」がペットボトルに入った水なのです。
塩水か確かめるためには飲むしかない。
悟りを開くには修行をするしかないのです。
どんなに塩水と水のペットボトルをながめても、どちらか塩水かわかりません。
どんなに勉強をしてもわからないことがあるのです。
勉強はもちろん必要です。
しかし、やはり実践が大切だと「確かめるためには飲むしかない」という言葉が教えてくれているように感じます。
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