開山無相大師と十牛図【その2】

東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。
臨済宗は禅宗とも言われる禅の教えを大切にする宗派であり、本山は京都にある妙心寺です。
ですから、禅の教えや妙心寺の最初の住職である開山無相大師【かいさん むそうだいし】の教えを大切にしています。
この禅の教えと無相大師の生涯を説いた「無相大師の禅・十牛図 (則竹秀南老師著)」と出会い、その内容を平成30年春の子供坐禅会で話をさせていただきました。自分自身の備忘録としてその内容をまとめたいと考え記事にさせていただいています。
十牛図【じゅうぎゅうず】とは、本当の自分(仏の心)を見つけるための過程を10の段階に分けて示した禅の書物です。10の段階を1つずつ紹介させていただきます。
今回は、その2回目です。
その2 見跡【けんせき】

あちこちと、牛を探しているうちに、山の中で牛の足跡を見つける。足跡を見つけるとは、本などを読んで勉強して仏の心を知識として知った段階のこと。
卓球を始めた子供が、スマッシュなど、その子供がまだ出来ていない新しい技を覚えたいと感じたとき、漠然と「新しい技を覚えたい!」と願ってもできるようにはなりません。
本を読んだり、新しい技ができる人に、どのようにしたらできるようになるかを聞かなくてはいけません。
聞いただけではできませんが、聞かなければできません。
聞けば、できる自分を感じることができます。
あとは実際に練習するだけです。
牛は本当の自分(仏の心)を表しています。
徹底的に学ぶことで「本当の自分」を探そうとするのが10の段階の2つ目です。
出家を決意し、開山無相大師は信州から鎌倉まで歩いて向かいます。
そして、師匠について修行をされるのです。
そこでお経だけでなく様々なことを学びました。
これが徹底的に勉強を続けることで、牛の足跡を見つける段階になるのです。
足跡なので本当の自分をまだ見ることはできません。
しかし、お経とは仏教の大切な教えです。
教えを説くのは悟りをひらいた仏陀【ぶっだ】です。
仏陀が悟りを開いたからこそ説くことができる教えに触れることは、自分自身が悟ることではありませんが、悟りを感じることだと言えるのです。
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