自分を真正面から見つめる勇気

山で木を剪定する作業中にきれいに二股に分かれている枝を見つけると、子供の頃に遊んだ「パチンコ」を思い出し、ゴムをつけて何かを飛ばしたくなります。
子供の頃は駄菓子屋さんで「パチンコ」を買って、消しゴムを小さく切ったものなどを飛ばした記憶があります。
最近は「パチンコ」で遊んでいる子供を見かけることはありませんが、何かを飛ばす遊びはいつの時代でもお子供達が夢中になれるようです。

最近、娘がゴムの飛ばし方を聞いてきたので、教えたところ時間を忘れて一生懸命ゴムを飛ばしていました。
しかし、慣れないうちはなかなか前に飛ばすことができません。
どうしてもゴムをまっすぐ引っ張ることができず、狙った方向へ飛ばすことができないのです。
そんな姿を見ていると、私も小さい頃は「パチンコ」をうまく打つことができなかったことを思い出します。
まっすぐ前に飛ばしたかったら、まっすぐ後ろに引かなければいけないのです。
横にずれれば、飛び出す角度も曲がってしまい、到達点もずれてしまうのです・・・
元仏通寺派管長 対本宗訓老師【つしもと そうくん ろうし】は以前「不二」という青年僧の機関紙の取材に対して
大事なことは、自分を真正面から見つめる勇気をもつことじゃないでしょうか。
赤裸々な自分の有り様を、眼をそむけず見つめてゆく。
何事でも真正面からは、なかなか見にくいものです。
しかし、現実を見る眼というのは、全部そこからスタートだと思いますね。衣を脱いでみないと見えないことがある。衣を着ていたんでは分からないことがあると思います。
と、話されています。
「自分を真正面から見つめる」と言うことは難しいことです。
どうしても自分にとって良い方向からばかり自分を見たくなってしまいます。
私は過去の出来事を美化して記憶にとどめてしまいがちです・・・
これこそが自分を真正面から見つめることができていないのです。
「パチンコ」をまっすぐ前に飛ばしたかったら、まっすぐ後ろに引かなければいけないのことが、過去の自分を含めて、自分を真正面から見つめることに似ている気がします。
これからは まっすぐに歩んでいくために、「恥ずかしい部分」を含め、しっかりと自分を見つめていきたいと思います。
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