お地蔵様の上に座れますか

お地蔵様の上に座ったら怒られます。
しかし、石の上に座っても怒られることはありません。
達磨大師の語録と言われる二入四行論【ににゅう しぎょうろん】に
「石を刻んで仏を作れば」
という話があります。
例えば君の屋敷の中に大きな岩石が庭先にあるとせよ。初めはたとえ君がその石の上で坐禅をしようと驚くことも恐れることもない。
ところが君がある時に発心して仏像を作ろうと思って人を頼んで仏のかたちに描き出してもらうと君の心はそれを仏だと考えすぐに罪を恐れてあえてその上に座ろうとはせぬ。
それは昔の岩石にほかならぬのに、君の心がそれを仏だと思うためである。
君の心は一体どんなしろものなのだ。すべて君の意識という筆の穂先がそれを描いて作り出し、自ら慌て自らを恐れているのであって実は岩石の中に罪だとか福だとかがあるわけではない。
君自身の心が自分でそれを作るだけだ。一体どんな実態があるというのだ。実態など何もないのにすべて君が勝手に妄想してそれをこしらえるのだ。
とあるのです。
私達はついつい安心が自分の中にあると信じ切ることができず外に求めてしまいます。しかし、そうではないことを達磨大師は私達に説いてくださっているように感じます。
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