供養の心と靴の洗い方

私が小学生だった頃、週末の宿題の1つは「上靴を洗うこと」でした。
30年が過ぎた今でも娘たちが同じ宿題をしています。
先日、上靴と一緒に普段使っている靴(外履きの靴)も洗うことになりました。
娘達は驚くほど短時間で靴洗いを終えて
「終わった~!」
と遊びに行こうとしていたので、洗った靴を見てみると・・・・
明らかに洗えていません。
靴の中に水を入れて たわしでこすると、水はあっという間に泥水に・・・
泥水を捨て、再び水を入れてこすると、あっという間に泥水に・・・
これまでにため込んだ汚れがすごすぎて、なかなかきれいになりませんでしたが、一緒に繰り返し洗うことで最終的にはきれいになりました。
私達は普段「供養【くよう】」という言葉を使います。
供養とは「尊敬をもって,ねんごろにもてなすこと」と仏教語辞典に書いてある通り、心を込めてもてなすことです。
御先祖様を供養するのであれば、御先祖様を尊敬し、そこにいるかのように心を込めてお参りすることが大切です。
仏教語辞典の「供養」にはさらに
仏教では仏・法・僧の三宝【さんぼう】や父母・師長・亡者などに,香華【こうげ】・灯明【とうみよう】・飲食【おんじき】・資材などの物を捧げることをいう。
とも書いてあり、なんだか難しそうです。
難しそうだし しきたりなどが面倒な印象があるため、葬儀や法事などの法要の際に「供養」は「依頼するもの」と考えている人が多いように感じるときがあります。
しかし、供養はあくまでも自分自身が「相手を尊敬し、その相手がそこにいるかのように心を込めてお参りする」ことが大切です。
だれかに「してもらう」ことではありません。
・・・でも難しそうだから誰かに頼みたい。
そう思ってしまいます。
そんなときに大切なのは僧侶や古くからの習慣に詳しい人と「一緒に供養」することです。
娘達は外履き用の靴の洗い方を知りませんでした。
上履きと同じように洗って失敗をしていましたが、洗い方を知り、その方法を一緒に実行することできれいに洗い上げることができました。
同様に「供養」も、1人でしようとしたときに万が一間違っていたとしても、誰にも指摘してもらえず間違ったままになってしまいます。
昔からの習慣などを知っている人と一緒に供養することで多くのことを学ぶことができるのではないでしょうか。
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