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大般若シリーズ【7】 1人だけ違うことをしている人がいますよ!!

白米が詰まったお弁当箱の真ん中に梅干しが入っていると、とても美しく感じます。


もちろん白米だけでも十分ありがたいのですが、梅干が1つ入っているだけで酸味や塩味、そして旨味が増すだけでなく、白米の美味しさ甘さをより感じさせてくれています。





500大般若180107 導師



東光寺(静岡市清水区横砂)では、毎月1月7日に大般若祈祷会が行われます。お寺関係者の間では大般若【だいはんにゃ】と呼ばれている行事です。
 この法要は1300年以上続くもので、六百巻にもなる「大般若経【だいはんにゃきょう】」という経典を読み、その功徳によって全ての障害が取り除かれ仏道が成就することを祈る儀式です。



※過去の開催報告では写真も使って方法全体の流れを説明していますので、興味のある方はご覧ください。





先日から、大般若祈祷会【だいはんにゃきとうえ】の法要でお経の本をパラパラとめくる、転読【てんどく】というものがあることを紹介させていただいています。
※以前の記事 転読 その1「叫んで パラパラして また叫ぶ! すごい迫力だったね!!」
 



 では、この迫力ある転読を法要に出ている僧侶が全員やっているのかと言えば、1人だけ違う動きをしている和尚さんがいます。
それが、法要の中心となる導師です。



「あ~、あの和尚さんはみんなががんばっているのに1人だけ違うことをしている!」



なんて言ってはいけません。




導師は600巻もある大般若経の中から1冊を選び、そこに書かれたお経をお唱えしているのです!!



600巻の中からくじ引きで決めるわけではありません。



最初の1巻目でもありません。



最後の600巻目でもありません。



なんと、「578巻目」をお唱えしています。



578??



 なぜ578巻目なのかと言えば、ここには「理趣分【りしゅぶん】」と呼ばれるお経が書かれているのです。






このお経を読みますと



仏道修行やもろもろの善行を除魔する外魔【げま】(外的な出来事)と内魔【ないま】(内なる煩悩)を打ちほろぼし、身も心も清浄になり、天寿を全うすることができる功徳がある






といわれています。




「みんな(多くの僧侶)が大きな声を出してお参りをしているときに、真ん中なの和尚さん(導師)は何をやっているの?」




と聞かれたことがありますので、御紹介をさせていただきました。



多くのお寺の大般若祈祷会【だいはんにゃきとうえ】の法要では、




・まず、大般若経の教えを凝縮した般若心経を参列した全員でお唱えしています。

・そして中心となる経典である600巻からなる大般若経を転読し、

・600巻の中て重要な理趣分を導師が唱えます





中心にいる僧侶の動きは違っても全てのお経で大般若経祈祷会は成り立っていますので、600巻の転読と導師が唱える理趣分が一体となった姿を感じていただければ、参列していただいた法要がより深いものになるのではないでしょうか。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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