お札の意味 【除夜の鐘 その1】

東光寺(静岡市清水区横砂)では毎年12月31日に除夜の鐘を撞きます。
東光寺の除夜の鐘はどなたでも撞いていただくことができるものです。
そして、除夜の鐘を撞いていただいた方に1枚ずつお渡ししている「お札」があります。
いくつか文字が書いてあるのですが、以前このお札を受け取った方にどういう意味があるのですかと聞かれたことがあります。
質問をしていただき、様々な文字が書いてあるこのお札ですが、今まで書かれている文字等の意味を説明したことがなかったことに気がつきました。
確かに、「いまいち意味がわからない」というご意見はよくわかります。
そこで、ここに少し解説を掲載せさせていただこうと思っています。
右上に奉拝【ほうはい】
右下に除夜の鐘
真ん中には瑠璃殿【るりでん】
左上に駿河国
左の下に医王山東光寺
と書いてあります
奉拝は、「謹んで拝む」ことを意味する言葉です。
右下には除夜の鐘と書いてありますので、謹んで除夜の鐘を撞きましたということが書いてあります。
そして左側の駿河國・医王山東光寺という部分は、そのまま「駿河の国」の医王山東光寺、つまり場所を示しています。
真ん中の「瑠璃殿」の意味は知名度が高くありません。
東光寺のご本尊様は薬師如来です。
薬師如来とは薬師瑠璃光如来【やくしるりこうにょらい】とも呼ばれる薬壺を持つ仏様であり、その薬で多くの人々を救ってくださると言われています。
この薬師如来がいらっしゃるのが
東方浄瑠璃世界【とうほう じょうるり せかい】
と言われています。ですから、薬師如来をお祀りする場所を瑠璃殿と呼ぶことが多くあります。
ですから、東光寺の本堂は「瑠璃殿」とも呼ぶことができるのです。
お札の中心には「瑠璃殿」の文字があるのです。
つまり、このお札は
謹んで除夜の鐘を薬師如来がいらっしゃる駿河の国の東光寺の瑠璃殿で撞きました
という意味(想い)が込められた御札になっており、年末にお寺に来て除夜の鐘を撞くという尊いことをしていただいた方に、その証としてこのような御札をお渡ししております。
東光寺の御札は名刺サイズとなっておりますので、財布や定期入れなどに入れやすい形になっています。
是非、普段から自身の近くに置いていただいたり、身につけたまにして、これを見た時には、
「あぁそういえば年末に除夜の鐘を撞いて自分や多くの人々の煩悩を払ったんだ!」
ということを思い出し、心を穏やかに過ごしていただければと思います。
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