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子供に坐禅会で話したこと 第289番 流木 【仏教説話31】

子供坐禅会(平成29年冬休み:テーマは仏教説話)で話した内容を紹介させていただきます。今回は

仏教説話シリーズ その31 【流木】

です。

500第289番 流木 【仏教説話31】


東光寺(静岡市清水区横砂)子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。



そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。



自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・






毎年12月15日16日は地元の秋葉山のお祭りです。



子供達はとっても楽しみにしています。



約500メートルほどの道にたくさんの屋台が出て大勢の人達が楽しんでいるお祭りです。



小学生時代の私は、秋葉山のお祭りというのは屋台がたくさん出て、お小遣いをもらってその屋台で買い物をするものだと思っていました。




500秋葉山180118




しかしある時、秋葉山のお祭りというのは火の神様を祀るお祭りであって、山のてっぺんにある火の神様をお参りし、一年の安全を祈るものだと知りました。



それまで、確かにお参りする人がいるなあとは思っていましたが、屋台を見るのが楽しくて山のてっぺんまで登ることはありませんでした。



お参りをすることがお祭りの目的であると知った後もお参りに行こうと思っても、ついつい道の両側にある屋台に吸い込まれなかなか前に進むことはできませんでした。



500秋葉山1801182



山へ向かう人の流れはあるのですが、その流れに乗って素直に進んで行けばお参りをすることができるはずなのに、ついつい屋台でたこ焼きを買ったりチョコバナナを買ったりしていました。





昔、お釈迦様のもとで修行をしている修行僧がなかなか悟りを開くことができず悩んでいる時お釈迦様はそのお弟子様に




「河を流れる木は

向こう岸につかず、

この岸にもつかず、

腐ったり沈むこともなく、

誰かに捕まることもなければ

やがて大きな海に出る。

私たちの心も河を流れる木のようにすれば良い。」


と教えたと言われています。






こちらの岸へ行こう、彼方の岸へ行きたい、独りよがりに気持ちを沈めたり、誰かの力で運んでもらいたい、そう言った心を持たず川の流れに全てを任せることで大きな海という悟りの世界に到達することができると言われたのです。



素直な気持ちで流れに乗ることが大切なのだというのです。



秋葉山のお祭りでも素直に人々の流れに乗っていけばお参りをする山の上まで登ることができる。



しかし、ついつい自分の興味のある所ばかりに目がいってしまい横道に逸れてしまうのは私たちの心のありようではないのでしょうか。



また流れに乗るにも、その流れをしっかりと見極めなくてはいけないはずです。



お祭りでも流れを見ずに、ただ目の前の人に付いて行ってしまったら目的地に到着せず迷子になることもあります。



秋葉山ではお参りをする人たちの流れにのっていくように、私たちの人生の中で大きな海に向かっていく人たちと共に生活していくことはとても大切です。



一緒に生活をするというのは良い習慣を共に行うということです。



例えば坐禅会に参加する、写経会に参加する、お寺の行事に参加する、町の行事に参加する、学校で一生懸命勉強するなど様々なことがありますが、昔から多くの人たちが「これは良いことだ」というものに素直に乗っかって流れていくことが今の時代も必要なのかもしれません。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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