子供に坐禅会で話したこと 第282番 天女になった貧しい女性 【仏教説話24】
子供坐禅会(平成29年冬休み:テーマは仏教説話)で話した内容を紹介させていただきます。今回は
仏教説話シリーズ その24 【天女になった貧しい女性】
です。
東光寺(静岡市清水区横砂)の子供坐禅会では毎回お寺や仏教に関係する話しをしています。
そして、話の内容にあった「仏教豆知識シール」を参加者に配布しています。
自分自身の備忘録も兼ねて紹介させていただきたいと考えています・・・・
※以下の内容は子供向けに話したものです。

皆さんはプレゼントをもらったことがありますか?
もらったことがある人の方が多いのではないでしょうか。
では、今年もらったプレゼントを覚えていますか?
昨年のプレゼントは??
2年前のプレゼントは???
3年前のプレゼントは????
その前は・・・・
もらったものを覚えていますか?
もらったときの感動を覚えていますか??
今から紹介する話は「天女になった貧しい女性」というお話です。
これはまだお釈迦様が生きていらっしゃった頃のお話です。
あるところに非常に貧しい女性が住んでいました。
食べるご飯もなく、何日もご飯を食べられずにお腹を空かせていました。
女性はこのままではお腹が空いて死んでしまうかもしれないと思いどうしたらいいか悩んでいました。
その女性はお釈迦様の所に行けば何か助けてもらえるかもしれないと考えました。
そこで、お腹が空いて困っていることを伝えるとお釈迦様は御弟子様に「この女性に食べ物を分けてあげなさい」と言って食べ物を分けてくれました。
女性は大変に喜び、その食べ物を持って家に帰りました。
しかし、残念ながらその女性は栄養失調のためそのまま亡くなってしまったそうです。
ところがこの女性は亡くなった後、天女となって天へと行くことができたのです。
これを知ったお弟子さん達はお釈迦様に尋ねました。
「なぜあの女性は天女になることができたのですか。私たちはこのように一生懸命修行をしているのに天へ行けるかどうかわかりません。女性が私たちのように修行をしていたようにも感じないのですが、なぜ彼女はあっさりと天女になって天へ昇っていくことが出来たのですか。」
この質問に対してお釈迦様は静かに答えました。
「彼女は亡くなる時に非常に綺麗な心で亡くなったからなんですよ。食べ物をもらって、ありがたいという心のまま亡くなったからこそ天女となって天へ行くことができたのですよ。」
ちょうど今日はクリスマスイブですね。(※子供達に話をしたのは12月24日)
今日、みんなのところにも もしかしたらサンタクロースからプレゼントが届くかもしれません。
プレゼントが届いた時みんなはどう思うでしょうか。
「うわー嬉しい!」
「やった!!」
そう思うかもしれませんが、その気持ちをずっと持ち続けることはできるでしょうか。
嬉しいな、ありがたいなと思っていても、少し遊んだら飽きてしまったりまたは遊ぶ前から
「これじゃねえんだよなぁ。本当はあっちのゲームが欲しかったのに・・・」
なんて、いう気持ちにもなったりするかもしれません。
お釈迦様はこのように心が変わることをおすすめしませんでした。
ありがたいと素直に思うこと、そしてその気持ちを持ち続けること、これがとても大切だと天女になった貧しい女性のお話は教えてくれています。
しかし、「ありがたい」と思うことは誰にでもできますが、その気持ちをずっと持ち続けることは大変難しいことです。
しかしこの坐禅会に参加している皆にはその練習をしたことがあるのです。
坐禅会に来たということはゆったりと呼吸を整え、良い姿勢で座ったということです。
良い姿勢でゆったり呼吸をすると心が整ってきます。こうなるとありがたいという気持ちがずっと続くようになってくるのです。
けれど、本当はずっと坐禅をしていた方がいいのですが、これもなかなか難しい。
だからこそ、普段の生活の中でも気が付いた時に姿勢を良くしてゆっくりと息を整えてあげる。ゆっくり呼吸をすることで皆の心が綺麗になっていくんです。この綺麗な心を少しずつ長い時間が持てるようになるとみんなもきっと幸せに暮らしていくことができると思います。
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