ろうそくが変わります

これはろうそく型のLED電球です。
東光寺(静岡市清水区横砂)の恒例行事になってきた「除夜の鐘と竹ろうそく」の開催が近づいてきました。
※平成29年の開催案内はこちらをご覧ください。
「除夜の鐘と竹ろうそく」は東光寺の観音山で採れる竹を活用しようと始めた活動です。切った竹にロウソクを入れて境内を照らし、除夜の鐘を撞きに来られる方を迎えています。
最近では、竹ろうそくを楽しみにしてくださる方も増えてきています。
この「竹ろうそく」、今年は大きな変化があります。
それは「ろうそく」を変えることです。
これまでは、6時間ほど点灯できるろうそくを使っていました。
あらかじめ竹の中にいれたろうそくに手伝ってくれる方々がライターを持って点灯してくれていました。
東光寺では小学校の長期休暇に子供坐禅会を行っており、そこで参加者に手伝いを呼び掛けているため、点灯を手伝ってくれる人の中には小学生もいました。
人数だけで言えば小学生が中心になっているといっても過言ではありません。
しかし、残念ながら点灯作業の中心になっているのは、人数の多い小学生ではなく大人達です。
理由は「ライター」です。
今現在販売をされているライターにはチャイルドロックという大人の力でないと火が付かない機能が付いています。このため小学生はライターを使いたくても使えないのです。
そのため、小学生たちは中学生や大人の手伝いが作業の中心になってしまいます。
そこで、今年は「ろうそく型LEDライト」を使うことにしました。
使い方は簡単です。スイッチを入れるだけ。小学生1年生でも簡単にスイッチを入れることができます。小学校入学前の子供でももちろんできます。
LEDライトを使うことで火傷や火事の心配もありません。
ロウソクの時には点灯時間が6時間ということで除夜の鐘を撞く方が全員帰られる午前1時ころまでは点灯していられるようにすると午後7時頃からしか点灯することができませんでした。しかし、
LEDのろうそくは電池の持ちがよく好きな時間から使うことができます。そうすると、暗くなり始める午後5時頃からの点灯が可能になり、小さな子供達も安心して手伝ってもらうことができます。
実は、値段もこれまで使っていたろうそくを毎年購入して使っていくのと変わらないので安心しています。
しかし、電球にすると
「ろうそくは火を使うから良いのに、電球にしたら味わいがない」
との意見があることも承知しています。
しかし、仏教語辞典で【灯明:とうみょう】 という言葉を調べると
ともしびのこと。
仏典一般には,灯明は,迷盲をうち破る智慧にたとえられる。
と書いてあります。ろうそくでなければならないと書いてありませんし、電気ではいけない理由もありません。
さらに
仏像や仏壇に供えられる灯(油やろうそく)のことをいう
との記述もあります。
ろうそくがない時代には油が使われてきました。その油を使いやすくしたものがろうそくであり、そのろうそくも改良が重ねられ、現在ではパラフィン(石油製品)を使ったものが大部分を占めるようになっています。
つまり、ろうそくでなければならない理由があるのではなく、さらにろうそくすら改良を重ねてたまたま今の状態で使用されているにすぎません。つまり、ろうそくよりも便利で安全なものがあるのであれば、境内に灯されたLED電球の光が
迷盲をうち破る智慧を表している
と感じていただけることが大切なのだと思っています。
もしも、東光寺の竹ろうそくをご覧になってLED電球が見えたときには、この光そのものに意味があることを思い出していただければ幸いです。
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