素直な気持ちがやっぱり大切です。

真言宗のお寺で和尚さんと保育園の子供たちのやりとりが楽しかったです。
和尚さんが
「今から法螺貝【ほらがい】を吹くよ。」
と言って、法螺貝を吹いたところ子供達は
「すごい!!大きなおならみたいな音だ!!」
と、大興奮。子供の一人が和尚さんに
「なんでおならの音を出すの?」
と聞きました。和尚さんは優しく
「これは、おならじゃないよ。法螺貝の音はライオンの吼える声みたいでしょ。だから、この音を聞くと魔物は消滅し、煩悩も去ることができるという意味があるんだよ。」
と、子供たちに優しく語っていました。
たまたま近くで聞いていた私も初めて法螺貝の音の意味を知ることができました。
東光寺(静岡市清水区横砂)は臨済宗妙心寺派のお寺です。私自身も普段は臨済宗のお寺との付き合いが多く、臨済宗の習慣や教えなどは勉強してきたつもりです。
しかし、他の宗派のことについては知らないことがたくさんあります。
この真言宗のお寺は親戚のお寺で、小さい時からお祭りなどお手伝いに行かせてもらっていたお寺です。
もちろん、法螺貝の音を毎年聞いていました。
しかし、今日の子供のように素直な気持ちで、「なんで法螺貝を吹くの?」と聞くことができませんでした。
「わからないことを素直にわからないと言え!!」
修行をさせていただいたお寺でよく師匠の和尚様に言われた言葉です。
私は、どうしても何かを知らないことを恥ずかしいことだと思い、ついつい知らないと言うことを隠してしまいます。ごまかしてなんとか生きていこうとしてしまいます。
しかし、素直な気持ちで「知らない」ということができれば、
「誰か必ず教えてくれる、するとそこから学び成長していることができるのだ。」
と、よく言われたことを思い出しました。
法螺貝の音を聞いておならみたいだと楽しんだ子供たちも、ただ楽しんだだけでは、そこで終わってしまいました。
しかし、素直に
「なんでそんな音を出すの?」
と聞くことができたからこそ、法螺貝の意味を知ることができたのです。
知っているか知らないか、知識の量が問題なのではなく、どれだけ素直な心で生きていくことが大切なのかを、素直な感想とそれに優しく答える和尚様に教えていただいた気がします。
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