クリスマスに「布施」と「貪り」を説く、空気の読めないお坊さん

毎月、東光寺(静岡市清水区横砂)の境内にある保育園の園児たちが坐禅体験に来てくれます。

今月は12月ということで成道会【じょうどうえ】の話しをしようかとも思いましたが、成道会のお参りは先日してくれているので、
「これから楽しみなことがあるね。」
と子供達に話しかけてみました。すると、子供達は嬉しそうに
「そうだよ、もうすぐクリスマスだ!!」
と嬉しそうに話します。そこで子供たちに
「クリスマスって何の日か知ってる?」
と聞いてみました。すると、園児達は
「サンタさんがプレゼントを持ってきてくれる日!!」
というのです。そこで私は
「クリスマスって誰かの誕生日だよ!誰の誕生日か知ってる?」
と聞くと全員がわからないと答えたのです。毎年12月にはクリスマスは何の日と聞いてきましたが全員が
「わからない、誰の誕生日かわからない。」
と答えたのは初めてのことだったので驚きました。そこで
「イエスキリストの誕生日だよ」
と言ったのですが子供達はぽかんと口を開けて
「イエスキリスト??誰それ??」
と言ってきます。園児達には
「こないだ成道会はお釈迦様が悟りをひらいた日だったよね。お釈迦様がみんなが幸せに生きていく方法に気がついた日だったよね。でもね、みんなが幸せに生きていく方法に気がついたのはお釈迦様だけじゃないんだよ。その1人がイエスキリストと言う人なんだ。」
と話しました。さらに、園児達にはプレゼントに関する話しもしました。
「仏教には布施【ふせ】という言葉があります。貪り【むさぼり】という言葉もあります。
布施というのは誰かのために、今できることを一生懸命すること。
貪りというのは、あれも欲しい、これも欲しいと、どんどんどん欲張って行くことです。
欲しい、欲しいと欲張ってしまう貪りを続けると、その先には地獄が待っています。地獄のような苦しい世界が待っています。しかし、誰かのために一生懸命何かをすると、みんなが幸せに暮らしていけると仏教では言われています。
じゃあクリスマスの時にプレゼントが欲しい。あのプレゼントも欲しい、このプレゼントも欲しいと言っているのは布施なのか貪りなのか、どちらでしょう。
サンタさんがプレゼントを持ってきてくれることをうれしく思う気持ちはよくわかります。しかし、あれも欲しい、これも欲しい、来年はもっといいものが欲しい、そのようにどんどん欲望積み重ねてしまうのが貪りであります。
それよりも、クリスマスはイエスキリストという方の誕生日だと知り、お誕生日おめでとうございますと心から言える、相手にありがとうございます、おめでとうございますと自然に伝えることが、みんなが幸せに生きていくための近道なんだということをぜひ覚えておいてください。」
このような話をすると子供達は
「はい!」
と大きな声で返事をしてくれました。
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