実は深い「どっちでもいい」

東光寺(静岡市清水区横砂)では毎月23日の10時より写経会を行っています。
11月の写経会には「静岡新聞のアステン」さんが取材に来てくださいました。

記者の方が写経を終えた参加者に
「写経って良いものですか」
と質問をしたところ、最年長(もうすぐ90歳)で、納経数ダントツで一番の女性が素早く、
「やらないより やったほうがいいんじゃないかな」
と一言答えました。
これまで、何十年と写経を続けられ、現在でも毎月5枚は般若心経を写経される方だからこそ、出てきた言葉だったように感じます。
本来、写経や坐禅など多くの修行で「見返り」を求めることは良くありません。
字が上手くなりたいから写経をする
試合に勝つために坐禅をする
など、目的があっていけません。
写経を長く続けてこられた女性は、これまで多くの写経を行ってきました。しかし、そこには「見返り」求める気持ちがなかったのだと思います。
見返りを求めてしまうと、ついつい
「これだけ写経をやったのだから何か良いことがあるはずだ!!」
という気持ちが出てきてしまいます。しかし、見返りを求めずにただ努力を続けてきたからこそ
「やらないより やったほうがいいんじゃないかな」
という気持ちになったのだと感じています。
一見すると軽い発言に聞こえますが、決して軽いわけではなく、実は深い言葉だと感じます。
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