世界遺産の苔と普通の苔

苔が流行っているとの噂を聞いたことがありますが、いまいち実感することがない毎日を送っています・・・
先日、西芳寺【さいほうじ】様の前を通過したときに感じたことです。
西芳寺よりも苔寺【こけでら】の名前の方が有名かもしれません。
世界遺産にも登録されている西芳寺(苔寺)様の前を通過しようとしたとき、ハガキを手に持った集団が、お土産屋さんの女性に
「早くしないと時間に遅れるよ!」
と声をかけてもらって走っていく姿を見かけました。
西芳寺様は拝観するのに予約が必要なお寺であり、予約をしたことを示すハガキを持って参拝者が走って行くところでした。

川の向こうが世界遺産の苔寺です。

つまり川の向こうの「苔」は世界遺産。
川のこっち側は普通の苔。

世界遺産の苔は予約をしないと見れませんが、こっちの苔は好きな時に好きなだけ見ることができます。

走らず、ゆったりとした気持ちで歩いていればこちらの苔も、世界遺産の苔も見ることができたのに・・・
などと余計なことを考えてしまいました・・・
白隠禅師坐禅和讃というお経の中に
直に自性を証すれば 【じきに じしょうを しょうすれば】
自性即ち無性にて 【じしょう すなわち むしょうにて】
已に戯論を離れたり 【すでに けれんを はなれたり】
との一節があり、
本来の自分を感じとることができれば、
様々な区別などないことに気がつき、
すでに愛着や煩悩から離れているのです
と訳すことができる一節です。
「世界遺産の苔と、普通の苔」などと区別している私の未熟さを、しっかりと指導してくださっている言葉です。
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