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布施の心と見返りを求める心

ある方が、



「わたしは植木を枯らすのが得意。

水のあげすぎ、根腐れ…肥料のあげすぎ…。

そして、枯れそうになった植物を見て、

『こんなに手をかけたのにっ!!』って怒ってる」




と自らを省みて発言されていました。



私が何かに腹を立てているときの感情を的確に表現しているように感じ、共感する部分が多く、とても分かりやすい言葉だと感じました。





500こまめ 花束を持つ カラー





子供に卓球や勉強を教えようと、自分の仕事を少し無理して切り上げたのに約束の時間になっても子供達は遊んでいて練習に間に合わないときなど、



「せっかく無理をして時間を作ったのに、時間に遅れるとは何事だ!!」



などとついつい怒ってしまいます・・・




仏教だけでなく多くの教えが、




見返りを求めず、誰かのために自分にできることを精一杯行うこと




を求めています。




そして、仏教ではこのような行いを「布施【ふせ】」と読んでいます。




見返りを求めなければ、心が乱れて無駄に腹をたてることもないはずです。




しかし、ついつい見返りを求めてしまいます。




では、どうしたら良いのでしょうか!?




もちろん、普段から「布施」の心を大切に持つことが大切です。




臨済宗妙心寺派の生活信条には




生かされている自分を感謝し 報恩の行を積みましょう





という教えがあります。




生かされていることに気がついたとき、報恩とも言い換えることができる

「見返りを求めず、誰かのために自分にできることを精一杯行うこと」

が自然とできるはずなのです。





そして、そのためには生かされていることに「気がつく」ことが大切なのですが、「気がつく」ためには、乱れない心、調った心が必要になります。



心を調えるための実践を臨済宗妙心寺派の生活信条では




1日1度は静かに坐って身体と呼吸と心を調えましょう。




と説いています。





・・・今後は




「せっかく無理をして時間を作ったのに、時間に遅れるとは何事だ!!」




と腹をたてたとき、遅れた相手を待つ間に、姿勢をよくしてゆっくりと呼吸をすれば少しでも心が落ち着くと信じて実践してみたいと思います。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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