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極楽への第一歩 【その2】



「極楽へ行くのも簡単じゃないね!」



小学校3年生の言葉です。




これは東光寺(静岡市清水区横砂)寺子屋体験の人気企画の1つである「地獄と極楽体験」をした後の感想です。


500寺子屋体験 3日目016



地獄と極楽体験とは長い(90cm)のスプーンを使って行う企画です。




以前に私が祖母に聞いた





天国(極楽)と地獄は実は同じなんだよ。

食事をする場所も、食器も、み~んな同じ!!!

違うのはそこにいる人達だけだよ。

でもね、今私達が使っているものと箸は長さが違うんだよ。と~~ても長いの!!

天国(極楽)では長い箸を使って周りの人達と食べさせあって仲良く食事をするけど、地獄では自分の長い箸で食事をしようとするけど、なかなか食べられないんだよ。
しまいには箸が隣の人に当たってケンカが始まってしまうんだよ。





というお話を以前体験させていただき、子供用にアレンジをした体験です。




本当は極楽箸と呼ばれる長いお箸を使いたいのですが、小学生ですのでスプーンです。




自分だけで何かを食べようとしても、決して食べることができない長さです。




食べたくても食べたられない・・・ 地獄です。



500寺子屋体験 3日目017




同じスプーンでも使い方を変えて、誰かのために使うと相手は食事にありつける。その姿をみると自分も極楽のような気持になれる。寺子屋体験では存分に地獄と極楽を体験してもらいました。




しかしこの体験には、簡単に伝わらない難しさがあるのです。




「長い箸(スプーン)で食べさせればいいんでしょ!?」




体験する前、小学生たちは難しく考えません。




しかし、始めて見ると相手の口へ長い箸で食べ物を運ぶのが こんなにも難しいのかと驚きます。




自分が上手く運べたとしても、食べる相手とのタイミングが合わなければ食べてもらえません。




長い箸を使いますので当然重くも感じます。まさに「極楽へ行くのも簡単じゃないね!」なのです。




私はどうしても「極楽」と聞くと、スーッと簡単に登っていく姿を想像しがちです・・・




しかし、極楽はそう簡単にへ行くことができないのです。




何が必要なのかと言えば、普段からの努力が必要になってくるのです。



長い箸を使いこなすには努力が必要です。



しかし、そういった技術的な努力ではなく「心」を鍛える努力が必要になってくるのです。




その努力こそが、



誰かのために、今自分ができることを 精一杯する




布施と呼ばれる修行なのです。




今、自分ができることを 精一杯するのですから、これは大人も子供の性別も関係ありません。




その具体例はこそが昨日のブログ(極楽への第一歩 【その1】)で紹介したような普段の生活に密着した、さりげない気遣いなのだと思います。



「極楽へ行くのも簡単じゃないね!」




という言葉を聞いて、普段からの努力で私達は日々「極楽」へと近づいていくことができるのだと思い出しました。
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人物紹介

新米和尚

Author:新米和尚
横山友宏
東光寺 副住職
【静岡市清水区横砂】

中学校で理科を教えていた男がある日突然和尚になった。(臨済宗妙心寺派)そんな新米和尚による、仏教やお寺についての紹介をします。 気軽に仏教やお寺に触れていただければと思います。


元:中学校教師
  (理科・卓球担当)

現:臨済宗妙心寺派の和尚
2人の娘の父親であり、育児にも積極的に参加し!?失敗を繰り返す日々を送る、40代を満喫しようとしている どこにでもいる平凡な男

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