破れた障子 【寺子屋こぼれ話1】
東光寺(静岡清水区横砂)で行われる、小学生が1日を通じてお寺を体験する寺子屋体験では様々なことが起こります。
ある日の午前中、休み時間が終わるころ参加者から
「和尚さん、あっちの障子が破れているよ!」
との報告がありました。

※実際の写真です!
早速全員を集めて
「障子が破れたけど、何か知っている人はいる?破ってしまった人は正直に言ってね!」
と声をかけましたが誰も声を出しません。
「このまま黙って帰っても、破った本人が一番つらい思いをすることになるよ。嘘をついたまま家に帰っても心が痛み続けるし、心の痛みに慣れてしまうと、どんどん悪いことができるようになってしまう、それはとってもつらいことだよ。」
と伝えました。そして、
「みんなが見ているところで、私がやりましたと言うのも難しいから帰るまでには謝りに来てください。」
と伝えました。
お昼頃になり、参加者の一人が
「○○ちゃんが破ったと思うよ。」
と教えてくれました。
言われてみると、寺子屋体験中のお経の練習などの時間に私が○○ちゃんの方を見ると、ビックっとしていました・・・・
問い詰めるか悩みましたが、しばらく待つことにしました。
しかし、その日は誰も言いに来ませんでした。
翌日も何事もなかったように時間が過ぎていきます。
そして、いよいよ寺子屋体験が終わるころ○○ちゃんが私の所に来て、
「和尚さん、障子を破ったのは私です。転びそうになって手をついてしまいました、ごめんなさい。」
と言ったのです。
時間はかかりましたが、反省し謝罪することができたのです。
仏教では過ちを犯したとき、反省し悔い改めることの大切さを説く逸話が多くあります。
○○ちゃんも障子を破ったことはしっかりと怒られましたが、謝罪ができたことでホッとしたのか笑顔で帰っていきました。
○○ちゃんも悔い改めることを大切さを実感してくれたと信じています。
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