足を踏み外さないために
昨日、東光寺(静岡市清水区横砂)も全国の皆様と同様に大雨に見舞われました。

境内の保育園も、浸水することはありませんでしたが、教室の近くまで水が来ました。

原因は短い時間に急激に大量の雨が降り、川へと続く裏の用水路があふれたことです。
境内の水は用水路へ流れるのですが、用水路がいっぱいなので水はどんどん溜まってしまうのです・・・
裏の用水路は、普段ほとんど水が流れていません。

しかし、今回の雨で用水路はあふれ、道路と用水路の区別がつかなくなっていました!
手すりが(ガードレール)があるので、落ちることはありませんが、
もしも手すりがなければ水の中をジャブジャブ歩いていると、用水路に気が付かず流されてしまうかもしれません。
私は幼少期に川で遊んでいて、急に深くなる場所で足をとられて溺れ、偶然近くにいた大人に助けてもらったことがあり、今でも危険を感じる水辺は苦手です・・・
仏教には六道【ろくどう】という考え方があります。
六道とは
地獄
苦しみの世界です。
餓鬼【がき】
あれも欲しい これも欲しいと 欲張り続ける世界
畜生【ちくしょう】
苦しみが多くて、楽しみがほとんどない。みんなが自分勝手に生きている世界
修羅【しゅら】
いつもケンカをしたり戦争をしている世界
人間界
いろんな悩みをかかえて生きている世界
天界【てんかい】
楽しそうな世界だけど、いつこの楽しい世界から追い出されるかビクビクして過ごす世界
という6つの世界があり、私達はこの6つの世界を生まれ変わり死に変わると考えられています。
そしてもちろん、実際に亡くならないと生まれ変わり死に変わることができないということでもありません。
今、生きているこの瞬間も生まれ変わり死に変わるのです。
川で遊んでいて、油断をすれば急に深くなる場所で足をとられて溺れるように、いつどこで六道の中を生まれ変わり死に変わるかはわかりません。
しかし、道と用水路の間に手すり(ガードレール)があれば誤って用水路に落ちる可能性は少なくなります。
では、人間界で生きている人が突然地獄や修羅の世界などに落ちないようにするためには、どのような手すり(ガードレール)が必要なのでしょうか。
それこそが、これまでに私達に命をくださった御先祖様が残してくれた良い習慣なのだと思います。
朝夕にお仏壇に手を合わせる。季節ごとのお参り、お寺での坐禅や写経、ありとあらゆる良い習慣が私達の手すりになってくれているのです。
雨で増水した用水路を注意深く見ることで、普段はなかなか気が付くことができなかった手すりを見て、その有難さを感じました。そして、それと同時に自分自身の心も溺れることが無いようにしなくてはならないと改めて感じました。
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